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仲野太賀 主演映画「生きちゃった」初日舞台挨拶!
同作は、幼馴染みの山田厚久(仲野太賀)と奈津美(大島優子さん)、そして武田(若葉竜也さん)の三人の幼馴染の物語。いつも一緒に青春を過ごしていた3人。30歳になった現在、厚久と奈津美は結婚しており、5歳の娘がいる。平凡だがそれなりの生活を送っていたある日…。厚久が奈津美の浮気を知ってしまう。あまりにも突然のことで、厚久は怒ることもできなければ悲しむこともできない。感情に蓋をすることしかできなかった。その日を境に厚久と奈津美、武田の関係は歪んでいき、物語は衝撃的な展開へと向かっていく…。
上映後に行われた舞台挨拶に登壇した仲野は「今日はコロナ渦の中でお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。この作品を撮っていた時にはこういう時代になるなんて思ってもなかったのですが、改めて今日を迎えることができて、心から嬉しく思っております。上映後ということで、観ていただいたと思うので、今日は最後まで楽しんでいただけらたなと思っております。よろしくお願いします。」と挨拶。
初めて脚本を読んだ時の感想を問われると、「痺れました。石井裕也監督が3日間で書いた脚本の熱量と切実な思いだったり、台詞1つ1つに作家が本当に思っている言葉がたくさん並んでいる気がして、この力強さには痺れましたし、これを僕が演じる事の意味というか絶対に言い訳のできない状況になるんじゃないかなと思いました。なので、映画が完成して観ていただきましたけど、本当に自信を持ってここに居られます。」と話した。
また、「石井監督とは何作かご一緒させていただいていますし、自分の俳優人生にとって石井監督とタッグを組むというのは1つの目標でもあったので、ものすごく感慨深いものもありました。厚久という役は思っていることを言葉にしてなかなか言えないという人間で、それは一見変わった設定のように思えるけど、僕は共感性があると思っていて、同時代に生きている人の中で漠然と本音を言えないだとか、本音を言ったら何かが壊れてしまうとか、そういう空気があるような気がして、そういったものを厚久という役を通して象徴的に今の社会を描くという。これは演じる上でとても責任があることだし、自分自身の本音を込めて実感を込めて演じないと演じきれない役だなと思いました。」と振り返った。
奈津美と武田に対する厚久の愛の形をどう捉えたかという質問には、「奈津美に対する愛情も武田に対する愛情も形は違えど、どちらも偽りなく本物だったと思っています。それはなかなか言葉にし難いのですが、やっぱり3人の関係性の因果というか、出会ってしまったことが全てだったというところにあって、この映画はすごく大きなことを言うと運命の映画だなと思ったんです。というのも、誰しも自分自身では抗えない大きな流れってあると思っていて、それは運命とも言えるし社会とも言えて、そこに巻き込まれた人たちの話だと思っていて、その上で出会ったことが全てだったということに尽きます。もちろん厚久と武田の関係性は観る人にとっては色々な捉え方があると思うんですけど、それは受け取る側の解釈で良いと思うし、ただ紛れもないことはそれが愛だったということで、理屈で解釈して演じたというよりは、今目の前にいる人のことを思うということに尽きるし、いなくなった人に思いを馳せるということに尽きたなという感じはします。」とコメント。
最後に、「今日は観に来てくださってありがとうございました。コロナの時代で今まで自分が思い描いていた人生設計だったり、それこそ運命的なものって自分自身ではコントロールできないんだなということが身に染みた期間で、予定通りにはいかないし、ずっといてくれるだろう人もいなくなったりだとか、何か悲しい出来事がたくさんあったりして、やっぱり運命には抗えないなという気がしました。そうなった時に隣にいる人がどれだけ重要かという話で、隣にいる人をどれだけ愛せるかというか、厚久もきっと武田が隣にいてくれたからこそ、最後は自分の中で一歩踏み出せたというところもあって。だから、そういう運命みたいなものに対して一緒に力強く生きていきたいなと思いますし、この映画も改めて力強く生きるという強さを伝えていると思うので、映画を観て色々なことを持ち帰ってもらえたらなと思っております。今日は本当にありがとうございました。」とメッセージを送った。
映画「生きちゃった」は、ユーロスペースにて公開中。
ぜひご覧ください。