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常盤貴子 第32回東京国際映画祭にて出演時代劇「帰郷」舞台挨拶!
同作は、藤沢周平さんによる傑作短編小説「帰郷」(『又蔵の火』所収)のドラマ化。
およそ三十年前、主人公・宇之吉を演じる仲代達矢さんが作品世界に強く惹かれ、長年の時を経てその想いが結実。さらに、仲代さんの想いに共鳴したキャストが集結し、日本の原風景ともいえる信州・木曾福島を舞台に、決してヒーロー然としていない老渡世人・宇之吉を主人公にした藤沢文学ならではの股旅ものの傑作が、史上初の“8K 時代劇”として蘇える。
信州・木曾福島に向かってひとりの無宿渡世姿の旅人が歩いていた。男の名は宇之吉。かつては木曾福島を縄張りとする博奕打ちだったが、親分の罪を被り、江戸に身を寄せた。しかし世話になった相州屋清五郎の妻・おとしと道ならぬ仲になり、清五郎を殺し、おとしと江戸を出奔。以来30年余りの歳月が流れ、病に倒れた先で見た風景が宇之吉の心を抉る。老い先を思い故郷へ歩みを進めた。故郷、木曾福島に辿り着いた宇之吉。町を歩くうち、斬り合いに遭遇する。野獣のように、隙がなく獰猛な動きを示している男が一人、十人を超える男たちを相手にしていた。のちに知れる男の名は源太。彼を追い詰める男たちは、宇之吉のかつての兄貴分、九蔵の手下たちだった。川に飛び込み難を逃れる源太。宇之吉はその姿にかつての自分の姿を重ねていた。ある日、渡世人仲間の栄次と行った飲み屋で、おくみという女と出会う。栄次から、おくみと源太は好いた仲だが、かねてからおくみに目を付けていた九蔵が、二人の仲を引き裂こうと執拗に嫌がらせを重ね、ついに源太が九蔵に斬りつけ、追われる身となってしまったのだと知らされる。
神社で行われる山博奕の日、宇之吉は幼なじみの佐一と再会し、衝撃の事実を耳にする・・・。
常盤は、おくみを演じる。
仲代さんとの共演を振り返り常盤は、「全俳優陣・スタッフがそうだと思うのですが、仲代さんは圧倒的な存在感なので最初は震えました。でも、仲代さんが本当に優しく温かい眼差しで包み込んでくださいましたので、胸をお借りしてどんといかなくては逆に失礼だろうと思い、私の出来る限りささやかではありますが頑張って飛び込みました。」と回顧。
同作は、フランス・カンヌで開催された国際映像コンテンツ見本市「mipcom」でアジアの作品として初めてワールドプレミアに選出された史上初の8K時代劇。カンヌに出向いた常盤は、「仲代さんは世界中の方々が大好きな俳優さんで、とても多くの方々が観に来てくださいました。ワールドプレミアで観て感動して、8K上映でもう一度観て、号泣しながら“すごく良かった”と言って下さる外国の監督さんがいらっしゃって、世界に通じる物語なんだなぁと、安心しました。」と現地の様子を語った。
また同作の監督、杉田成道さんがテイクを重ねる演出だったそうで、「仲代さんはたくさんやられていました。泥水にバチャーっとなるシーンでも“今のも良かったんですけどもう1回”とおっしゃって。仲代さんが泥だらけでグチャグチャで、さらに雨降らしで雨も降ってきている中で、何度もやられるんです。スタッフが裏で“仲代さんがかわいそう”とおっしゃっていたのが印象的でした。でも、それこそが「北の国から」の杉田監督なんだと思い、「北の国から」をプチ体験できて嬉しい瞬間でもありました。(「北の国から」に出演していた)緒形直人さんに聞いたら“昔はもっとひどかったよ”とおっしゃっていて、杉田監督とお会いするのが今で良かったと心から思いました。」と笑顔で話し、他登壇陣からも同様の裏側を明かされ杉田監督は“この場を借りて、皆様に本当に申し訳ないことを致しました。これに懲りずまたよろしくお願い致します”と平謝りしていた。
この日は、同映画祭で永年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい方々へ贈る【特別功労賞】を受賞した仲代さんの贈呈式が行われた。常盤が花束を仲代さんに手渡すと、会場が大きな拍手に包まれた。
時代劇「帰郷」は2020年1月全国の劇場で先行上映予定、その後、時代劇専門チャンネルにて放送。
ぜひご期待ください!