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内野聖陽 スーパープレミアム ドラマ「スローな武士にしてくれ」会見!
かつて人々を熱狂させた時代劇が、最新の映像技術と熱き活動屋たちの奮闘で、いまだかつてない映像として息を吹き返すー。
同作は、そんな時代劇制作の舞台裏を描いたドラマで、水しぶき一つ一つを鮮明に見せる世界最新鋭ハイスピードカメラによる、スーパースローモーション映像に加え、360度・全方位をぶれずに撮影できるマシンを使ったワンカット13人斬り、ワイヤアクションで宙を舞う“池田屋の階段落ち”などを楽しむことができる。
会見にて内野は、「この作品のお話をいただき、シナリオを読んですごく面白いと思って、久しぶりにシナリオを持って興奮してしまいました。僕は主役としてここにいますが、1人1人が主役の群像劇だと思っています。特に老年のスタッフを演じた俳優陣の味わい深さがとても素晴らしくて、やる前からこれは大先輩に負けられんぞという感じで気合も入りました。実際に撮影に入ったら、やはり皆さんが素敵なお芝居をされるので本当に楽しい現場でした。」とコメント。
最新技術で苦労した点を、「映像をスローモーションにするためのハイスピードカメラが1秒を1000コマくらいに分けてしまう凄まじいカメラで、普段の殺陣というのは刀がぶつかりあっているようで実はぶつかっていないものなのですが、今回のようにスローで撮影すると刀が当たっていないことがバレバレに見えてしまいまして(笑)。ですので、普段やっている立ち回りでは通用しないという事が分かりまして。ちゃんと身体に触れていないといけない、でも触れると刀のブレも捉えられてしまうという事もあって、とても神経を使いながら撮影をしました。ハイテク技術を相手に芝居をするのは結構難しかったです。また、ワイヤーアクションにも初めて挑戦したのですが、数回の練習だけで背中から飛んだりしなくてはいけなかったので冷や汗ものでした。僕達キャスト陣は立ち回りやお芝居を頑張るだけだったので、自分でもどんな作品になっているのだろうと思っていましたが、完成した作品を実際に観てみたら痛快なエンターテインメント活劇になっていたので、一観客として楽しませていただきました。ぜひ皆さんに時代劇の舞台裏の元気で楽しい世界をお楽しみいただければと思います。」と話した。
また、印象的なシーンについて、「柿をナイフで受け止めるシーンです。かなり好きなシーンなのですが、なかなか柿がナイフに突き刺さらなくて難しかったです(笑)。あとは、13人斬りのシーンが印象的でした。21秒程度の中で撮り終えないといけないという事だったのですが、稽古場ではきちんとその時間内に収まってもセットではなかなかその秒数内に収まりきらなくて。でも、演者の皆さんもとても熱心で、稽古をやりたいと言ったら朝から付き合ってくださいましたし、僕もクランクインの何日か前に入って道場で1人稽古もやりました。その甲斐もあって、殺陣シーンは迫力があって楽しめると思います。」と振り返った。
さらに、共演者との撮影エピソードを聞かれ、「尊敬する石橋蓮司さんや本田博太郎さんをはじめ皆さん一言のセリフに素敵な味わいがありました。あとは、中村獅童くんが現場をとても盛り上げてくれていて、とても感謝しています。水野美紀さんの殺陣もすごく素敵でした。アクションができる方なのでとても楽しみにしていましたし、やっぱりかっこいいのを見せてくれたなと感動しましたね。」と答えた。
最後に、時代劇の魅力について、「今回は、特に殺陣師さんの時代劇愛を感じられて、すごく嬉しかったです。最近は殺陣を撮られない監督さんが多くなっている中で、殺陣師さんがきちんと文化として守り続けているという姿に感動しました。やはり時代劇は良質なものを作り続けていきたいなと思いますし、自分自身もそういうところに参加していけたらと思いました。また、とにかく監督が時代劇をとても勉強されているので、“あの映画のあのシーンに触発されたのかな”と感じる作品になっています。僕も本当に時代劇のスターの方が大好きで、今回の現場に萬屋錦之介さんのポスターが貼ってあったのですが、あのポスターかっこいいねと言ったら、ポスターをいただいて帰ってきたり(笑)。古い時代劇をたくさん観てきたからこそ自分の中にもそういうDNAが育っているのかなと感じました。こういうのも伝承だと思うので、演じ手がどんどん吸収してその背中を見せて、次世代に続けていくのかなと思いつつ、僕もそういった意味ではそろそろ背中を見せていかなければいけない世代になるんだなと考えていたりします。今の時代は男女も均一化してきていろいろな問題が見えにくくなっていると思うのですが、時代劇というツールを使うと非常に物事があっさり理解できるという事があったりしますので、そういう意味でも時代劇というのはマジックを持っているものではないかと思っています。男女や社会の問題などをすごく表現しやすいメディアだと思いますので、こういう時代でもどんどん時代劇を作り続けていただいて、これからもそういった作品に参加できればと考えています。」と持論を交えて語った。
スーパープレミアム ドラマ「スローな武士にしてくれ」はNHK BSプレミアムにて3/23(土)21:00~22:59放送。
また、NHK BS4Kでは3/30(土)18:00~19:59、さらに、同日19:59~20:48にはメイキング特番「スローな武士の作り方」もO.Aとなる。
ぜひ、ご期待ください!
【あらすじ】
舞台は、京都の歴史ある撮影所。そこにある日、NHKからの依頼が舞い込む。「最新鋭の技術を駆使して新番組を撮ってほしい」というのだ。
さまざまな困難が予想される新技術の撮影現場で、売れっ子俳優を起用すると面倒なことになりかねない。そこで撮影所長は、切られ役専門の大部屋俳優・シゲちゃん(内野聖陽)を抜擢、新技術満載の過酷なアクションシーンを撮影することにした。
一週間後、巨大なトレーラーに積まれた山のようなハイテク機材とともにNHKから派遣されてきた男・田所(柄本佑)は、人並み外れた時代劇マニア。到着するなり、幕末の「池田屋事件」をドラマにしたいと言いだし、撮影所の活動屋たち(石橋蓮司ほか)はあきれ顔。しかし、久しぶりの時代劇にたきつけられていく。
ひょうたんから駒が出て、シゲちゃんは主役の新撰組局長・近藤勇を演じることになった。主役抜擢は、大部屋俳優にとって夢のような大事件。かつてアクション女優だった妻・富士子(水野美紀)をはじめ、家族みんなが大喜びだ。
もともとシゲちゃんは、誰もが認める超一流の殺陣も腕をもつ。時代劇トップスターの里見浩太朗(里見浩太朗本人)からもしばしば指名される“名斬られ役”だ。 しかし彼には、50歳を過ぎてもなかなか芽が出ない致命的な欠点があった…。
しかも撮影にあたるのは、半ば引退しているようなカメラマン武藤(本田博太郎)など、ハイテクとは無縁の高齢スタッフばかり。次々と持ち上がるトラブル、難題を乗り越えて迎えるクライマックス。世界最先端のハイスピードカメラとワイヤーアクションで前代未聞の「池田屋階段落ち」へ。そこでシゲちゃんは、後輩の城太郎(中村獅童)と激しく斬り合うことになる。はたしてシゲちゃんと活動屋たちは、ハイテクの試練を乗り越えることができるのか?息もつかせぬ壮絶なチャンバラアクションを、最先端の技術を使ってかつてない映像美で描く。
(敬称略)