MOVIE
太賀 主演映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」公開記念舞台挨拶!
同作は、日に10万アクセスを誇る人気ブロガーとして活動する歌川たいじさんが2013年に出版した同名コミックエッセイの映画化。
胸が張り裂けるような言葉がタイトルのこの映画は、母親から拒絶され、友だちからも愛されることなく育った青年が、母親を大好きな気持ちを諦めることなく運命と向き合い、やがて奇跡を引き起こした実話をもとにした作品だ。
大好きな母に思いを焦がれた子ども時代の想い出を語る主人公のモノローグから物語は始まる。親や同居する大人による子どもへの虐待事件が後を絶たない昨今。主人公のタイジ(太賀)もまた、幼い頃から母・光子(吉田羊さん)にののしられ、殴られ、心身ともに傷つけられてきた経験を持つ。辛い気持ちを悟られまいと、つくり笑いを浮かべながら、本心を隠して精一杯生き抜いてきたタイジ。やがて大人になったタイジは、心を許せる友人たちと出会い、彼らに背中を押されながら、かつて自分に手をあげた母親と向き合う決意をする――。
上映後に行われた舞台挨拶に登壇した太賀は、「今日は観に来ていただき、ありがとうございます。作品の撮影が終わってから1年半ぐらい経つのですが、ようやくこうやって皆さんの目に触れることになって本当に嬉しく思っています。今日は頑張って喋るので、どうか最後までよろしくお願いします。」と挨拶。
タイジを演じる上で気を付けた事を問われると、「歌川さんの実人生を演じるというのは、僕自身がここまでの壮絶な過去を持っているわけではないので、生半可な気持ちで出来ないなと思っていました。やるからには、生きているのが辛くて泣いているタイジが今日を懸命に生きている歌川たいじさんに繋がればいいなと思ってやりました。歌川さんは撮影現場にもたくさん応援しに来てくださっていて、スタッフ全員分の混ぜご飯を手作りしてくださったり、撮影が佳境に入ればお菓子を差し入れしてくださったり、何度歌川さんに優しい言葉をかけてもらったか分からないぐらい、本当に僕は歌川さんに支えられましたし、背中を押してもらいました。お母さんからの愛を渇望していた人が、今は与えることばかりをしていて、そういう歌川さんの姿を見て、何よりも誰よりも歌川さん自身がこの作品の希望だなと思って演じていました。あとは、誰に何と言われようと歌川さんが喜んでくれればいいやという思いで演じました。」と語った。
タイジの友人・キミツを演じた森崎ウィンについて話題が挙がると、「ウィンとは出会って10年以上経ちますし、ここで共演できて本当に嬉しかったです。最初に台本を読んでキミツという役を見た時に、こんな大変な役を誰がやるんだろうって思ったのですが、ウィンに決まったと聞いて、これは間違いないという自分の中の確信というか、ウィンの持っているものとキミツの魅力が噛み合う気がしました。(劇中には)ダンスシーンがあって、ダンス経験が無い僕は練習場のフロア全体に心が折れる音が響くようなところからスタートしたのですが、ウィンが手取り足取り教えてくれて、徹底的に寄り添ってくれました。それがダンスのシーンに限らず、芝居を通しても常に寄り添ってくれたことにどれほど助けられたか…。本当に感謝しています。」とコメント。
吉田羊さんについては、「皆さんご存知の通り素晴らしい女優さんですし、生半可な気持ちで向き合えないなと思っていました。僕は羊さんと一緒じゃないシーンの時もこの作品中は羊さんの事を思い浮かべながらお芝居をやっていたので、どうしても面と向かうと、上手く喋れないし、どうしていいか分からない…。でも何を考えているのか知りたいし、もうちょっと繋がりたいというのがあって、自分自身のコントロールが利かなかったです。でも、お芝居をする上でこれ程良い緊張感はなくて、羊さんとだったらどこまでも行けるし、どこまでも行ってしまいたいと思えるようなやり取りができたかなと思っています。最終的にラストシーンで僕が出来る限りのことは羊さんに投げたんです。全て受け取ってくださって感謝しています。」と語った。
最後は、「舞台挨拶を終えてしまえば、役者が作品に対して出来ることは本当に無くなってしまうんです。現場で作品を育んで、こうして届けていく。これを終えてしまえば、この作品は観てくれた人のものになると思っています。タイジが色々な人に支えられたみたいに、この作品が観てくださる人にとって心寄り添うものになってくれたらと願っています。もし何か残るものがあったり、観て良かったと思えるものがあったら、ご自身の大切な人に薦めていただけたらと思います。歌川さんの人生が色々な人に影響を与える素晴らしいきっかけになってくれて心から良かったと思っています。今日は皆さんありがとうございました。」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」は、11/16(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、イオンシネマほか全国公開!
ぜひ劇場でご覧ください。