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柳楽優弥 映画「ディストラクション・ベイビーズ」大ヒット御礼舞台挨拶!
映画「ディストラクション・ベイビーズ」は、愛媛・松山を舞台に若者たちの欲望と狂気を描いた衝撃作で、同作が商業映画デビューとなる『NINIFUNI』などの新鋭・真利子哲也監督がメガホンを執り、脚本は、真利子監督と『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平さんが担当。
観る者に得も言われぬ新たな感情を呼び覚ます青春映画に、公開から1か月近くたっても多くのファンが劇場に詰めかけている。
愛媛県松山市西部の小さな港町・三津浜。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良(柳楽)と弟の将太(村上虹朗さん)。
日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に三津浜から姿を消す―。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った北原裕也(菅田将暉さん)。彼は「あんた……すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。こうしてふたりの危険な遊びが始まった。やがて車を強奪したふたりは、そこに乗りあわせていたキャバクラで働く少女・那奈(小松菜奈)をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。その頃、将太は、自分をおいて消えた兄を捜すため、松山市内へとやってきていた。泰良と裕也が起こした事件はインターネットで瞬く間に拡散し、警察も動き出している。
果たして兄弟は再会できるのか、そして車を走らせた若者たちの凶行のゆくえは―
柳楽は、“物の怪に憑かれた”様に喧嘩を繰り返す主人公・芦原泰良を演じている。
上映後の舞台挨拶で、「満員で立ち見の方もいらっしゃって本当に嬉しいです。今日はありがとうございます。」と感謝の気持ちを語った柳楽。
作品について周りからの反応を聞かれ、「公開した頃にちょうど『ゆとりですがなにか』というドラマをやっていて、打ち上げで宮藤官九郎さんに、“面白かったよ”と言っていただいたのが嬉しくて印象に残っています。」と話した。すると真利子監督から、“『ゆとりですがなにか』での喧嘩のシーンは芦原に見えてしまった”と言われ、「『ディストラクション・ベイビーズ』以降、喧嘩のシーンは慣れてしまったようで、水を飲むかのように自然にやったら、現場のスタッフさんに笑われたことも。『ディストラクション・ベイビーズ』すごいなって思いました。」と告白すると、会場から笑いが起こった。
その後は来場者からの質問を受けるティーチイン形式で進行され、自身が演じた芦原泰良をどう感じたかという質問があがり、「泰良というよりは映画を観てなのですが、あまりしゃべらないというのは台本を見た時点で分かっていながらも、ここまでしゃべらなくても映画として成立するんだということが嬉しかったです。」と感想を語った。
また、役作りの上で準備したことは?という質問には、「真利子監督とは事前に話をしまして、特殊な役柄なので僕からもいろいろと探ったのですが、“楽しければええけん”というスタンスで返ってきたので、変に考えずに現場に行って楽しんで毎カット撮るという気持ちを大事にしました。役作りをこだわりすぎると変になってしまうのかなって。」と答え、真利子監督が“泰良をどう撮るか、どう存在させるかが大切だったので、そのためにも演技の面で他の役者に食われてしまったらダメだよとあおっていた。”とコメント。それを受け柳楽は、「結果として食った食われたということだけにこだわっていないですが、魅力的なキャストの方が揃っていたので、1つの原動力として先頭に立って気合いを入れて挑もうと思えました。」と当時を振り返った。
さらに、ゴミ箱をあさるシーンでゴミ箱からゴミを絶対に落とさないのは何か意図しているのか?と聞かれ、「全く意図していなかったです。初めて言われました(笑)。」と話すと真利子監督も同調しながら“何をしたら泰良ではなくなるのかはずっと言っていた”と回答。「一歩間違えると危険で泰良のイメージが変わってしまう。観ている人の創造の範囲が狭まってしまう気がしたんです。ゴミ箱のシーンは初めて意識したのですが、品があるってことですよね。落とさないで良かったです(笑)。」と笑顔を見せた。
そして最後に、「まだ公開していますので、機会があったらまた観ていただきたいです。遅い時間に本当にありがとうございました。」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画「ディストラクション・ベイビーズ」はテアトル新宿ほか全国大ヒット公開中。
ぜひ劇場でご覧ください!