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市原隼人 映画「ホテルコパン」初日舞台挨拶!
同作は、1998年の長野オリンピックから18年がたった白馬村のホテルで巻き起こる“グランドホテル形式”の群像劇。あの頃の活気を取り戻そうするホテルコパンに集った、理由あり10人のそれぞれの壮絶な人生の山場がぶつかり合っていく。
オリジナリティ溢れる多様なキャラクター、全員が絶望へと向かっていくストーリー、エンドロールを迎えたとき、あなたに押し迫る感情は、希望か?絶望か?
元・中学校教師で現・ホテルコパンの従業員、海人祐介を演じた市原は、「内容はヘビーですが、メッセージ性が込められている作品です。撮影から約3年、皆さんに観ていただく日を楽しみにしていました。今日はよろしくお願いします。」と挨拶。
自身の役へどのように向き合ったかを聞かれ、「今まで外交的な役が多かったのですが、今回は内向的で闇を抱えた人間でしたので、何かをしゃべるにしても相手に話すのではなく、相手に届く前に自分の中だけで解釈してしまうようなトーンが出ればと思いました。また、嘔吐するシーンがあるのですが、台本には食事がなかなか進まないくらいしか書いてありませんでした。でも、自分の中では、精神的に全てを受け入れられない状況で感情的に嘔吐してしまう状態を作りたかったので、食事制限などをしていました。役者なので100%はできないですが、1%でもコツコツ積み上げ、リアルな状態で映画全体のテーマである“再生”というものが表現できればと思いながら演じました。」と語った。
この日は、2/6に29歳の誕生日を迎えた市原へサプライズでバースデーケーキが贈られた。市原の顔と白馬のジャンプ台をモチーフにしたケーキが運ばれると満面の笑みを浮かべながら、「本当にありがとうございます。日々通過点。死ぬまで(役者を)やっていきたいです。」と力強く話した。
そして最後に、「この映画は本来、人に見せたくないような一面を多く描いた作品で、それ故に人間臭くて痛々しいシーンがたくさんあります。テーマが“再生”ということで、みなさんも過去の出来事で今でも潰されそうになっていたり、ずっと引っかかっていたり、苦しめられたりということがあるかもしれません。映画同様、“これから何かあるかもしれない”という考え方1つが、自分の背中を押す着火剤・起爆剤になるかもしれないという希望を胸に持っていただけたら嬉しいです。これからも『ホテルコパン』を胸の端っこで良いので可愛がってください。本日はありがとうございました。」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画「ホテルコパン」はシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか、全国順次公開中。
ぜひ劇場でご覧ください。
【物語】
東京で教師をしていた海人祐介は2年前から、長野県白馬村にあるホテルコパンで働いていた。1998年の長野オリンピックで賑わった白馬村も、今では、かつての賑わいが嘘のように閑散としている。オーナーの桜木は、オリンピックの時のような活気を取り戻そうと躍起になるのだが、そう簡単に客は集まらない。もう一人の従業員のユリは、そんな桜木を尻目に無愛想に淡々と働いていた。偶然にも数組の宿泊客が訪れることになるが、やってきたひとりの女性客の顔を見て、海人は顔をこわばらせ過呼吸に陥る。その女性・千里は中学校教師時代に担任した生徒・守の母親だった。
守は中学校でいじめを受けていて海人はいじめから救おうと努力したのだが、努力も虚しく守は自殺をしてしまったのだった。
一方、他の滞在客もそれぞれ問題を抱えていた。カップルの美紀と班目、多額の負債を抱えている宗教団体の教祖・段来示と資産家令嬢・ひかる、昔は脚光を浴びていた老女優・舟木とマネージャーの澤井。
ホテルオーナーの桜木もまた、離婚した妻・美智代と娘・歩と偶然再会してしまう。信じてたものを失い、人生の山場を迎える人々。その先に待ち受けるゴール、それぞれの見る未来とは…。