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松本花奈 映画「Eggs 選ばれたい私たち」トークショー!
同作は、子どものいない夫婦に卵子を提供するエッグドナー(卵子提供者)をテーマにした映画。
監督の川崎僚は、自身の経験や体験を織り交ぜなら、結婚や出産を希望していない30歳目前の女性、そしてレズビアンの女性という対照的な2人の人物を通して、社会から求められる女性像と実像のずれに悩みながらも、それでも「母になりたい」と願う彼女たちを等身大に描いてみせた。また同作は、2018年タリン・ブラックナイツ映画祭で日本映画唯一のコンペティション作品に選出。同年の招待上映作品「万引き家族」とともに、日本の社会問題を扱った話題作となった。
派遣で事務の仕事をしている近藤純子(29)(寺坂光恵さん)は独身主義者。将来、結婚する気も、子どもを産む気もない。しかし、このまま独身を貫き、10年後20年後に子どもを産まなかったことをいつか後悔するのかもしれないと考え、その後悔が少しでもやわらげばと思い、エッグドナーに登録することにした。
エッグドナーとは、子どものいない夫婦に卵子を提供するドナー制度のこと。プロフィールを提出して、選ばれれば、ハワイやマレーシアなどの海外で卵子を摘出し、謝礼金がもらえる。年齢制限の30歳までわずか数ヶ月だったが、純子は登録することにした。
その登録説明会で、純子は偶然、従姉妹の矢野葵(25)(川合空さん)に再会する。彼女は恋人と別れて同棲していた家を出て、行くところがないという。その恋人というのが女性だと知り、驚く純子。レズビアンの葵に対して「偏見はない」と伝えるが、ぎこちない雰囲気になってしまった。
そんな葵に、エッグドナーに登録したことを母親に内緒にする代わりに居候させて欲しいと言われ、純子は断れなかった。こうして、二人の奇妙な共同生活が始まった。
久しぶりの再会ということ、そして葵の少しワガママな態度から、二人の生活はなかなかうまくいかなかった。そんなある日、二人は偶然、同じ時期に生理になった。
葵が「生理はムダだ」というのを聞き、純子はレズビアンの葵も自分も子どもを産まない=女性としての役割の一つを果たさないという意味で、同士であることに気付いた。
それをきっかけに、二人は意気投合し、ともにエッグドナーに選ばれ、遺伝子上の母になることで、生物学上の女としての義務を果たそうと誓い合ったのだが…
この日、松本はゲストとして、同作主演の寺坂光恵さん、川合空さん、監督を務めた川崎僚と共にトークショーに登壇した。
寺坂光恵さんは松本の初監督作品『真っ赤なポピー』や『真夏の夢』に出演。また川合空さんは同じく松本が監督した『過ぎて行け、延滞10代』、『21世紀の女の子』「愛はとどこにも消えない」のタイトルデザインを手掛けていたこともあり、冒頭ではそれぞれその当時を振り返った。
同作については、「純子と葵の性格が全然違っていていいなと思いました。二人がかみ合いそうでかみ合わないというか、きっと意見がちゃんと一致したら仲良くなるんだろうけど、そううまくはいかないという感じがもどかしくて切なくなりました。」と感想を語った。
また、「まさにこの映画を観る直前の出来事だったのですが、知り合いに赤ちゃんが生まれて、その方が“奥さんが美容院に行っているから代わりに自分が子守をやっているんだ。でも美容院に行ったきり帰ってこなくてどうなってるんだ”みたいなことを言っていて、そういうのを聞くと結婚って怖い!と思ってしまって(笑)。結婚とか子育てって自分にできるのかな?とちょうど思い始めたタイミングでこの映画を観たのですごく救われました。絶対に結婚をしないといけないとか、子供を産まなければならないわけではないというか、いろいろな道とか考え方があるということを知れて良かったなと思いました。」と明かした。
映画「Eggs 選ばれたい私たち」はテアトル新宿ほか公開中!
ぜひご覧ください。