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濱田岳 土曜ドラマスペシャル「ベトナムのひかり~ボクが無償医療を始めた理由~」会見!
ベトナムで15年以上にわたって、無償医療を続けている眼科医・服部匡志医師。内視鏡を使った網膜手術では比類ない腕前の彼は、ひょんなことからベトナムで無償医療を行うことになっていく。
同作では、彼の実話を基にしながら、主人公・羽鳥志郎が『医者の仁』を体現し、実践するまでの姿が描かれる。
眼科医・羽鳥志郎(濱田)は、ある学会でベトナム人医師から「私たちを助けて欲しい」と呼び止められる。志郎は熱意に負け、ボランティアとしてベトナムに赴くことを決意する。あきれる妻・結衣(国仲涼子さん)に、「3ヶ月だけ」と説得する志郎。志郎はベトナムへと旅立つことに。しかし志郎を待っていたのは、ベトナムの医療環境の悪さと文化の違い。同僚のサン医師(ビン・アンさん)とはなにかと反目しあう仲…。そんなある日、失明寸前の少年が現れ、志郎は何とか治療を試みようと自費で内視鏡を購入。少年を失明から救う。そして、約束の3ヶ月は終わりを告げようとしていた…。
主人公・羽鳥志郎を演じる濱田は、「作品への思いが強すぎて一度観ただけでは客観視できず、もう少し時間が経ってから改めて観ようと思っているくらい大事な作品になりました。志郎という役は、今こうしてしゃべっている間にも、異国の地で患者さんの光を取り戻すことにご尽力されている服部匡志先生がモデルです。その服部先生の行為に対するリスペクト、演じる上での責任、そしてお客様にお見せするにあたっての大きな使命があるという事を胸に臨みました。」と明かし、「大阪で一週間、ベトナムでは二週間の撮影を行いましたが、勝手の知った大阪のスタッフとはいえ、ベトナムでは各セクションが慣れない異国の地でかなり大変だったと思います。でも、そんな中で、国仲さんがキャスト・スタッフに向けて日本からメールを送ってくださって、その優しさがみんなの気持ちを高めてくださいました。あと、ベトナムのキャスト陣は撮影自体も初めてでしょうし、ましてや外国人相手にお芝居をするということは相当大変だったと思うのですが、日本の僕らがびっくりするくらい勤勉な方たちで、そんな彼らにも後押しされて僕らも一生懸命やることが出来ました。ですので、この場をお借りしてベトナムのスタッフ、そしてキャストのみんなに改めてお礼を言いたいと思います。本当に素敵な時間をありがとうございました。」とコメント。
撮影で大変だった事について、「僕は英語もベトナム語も出来ないですし、根性でやるしかないと思っていました(笑)。ベトナムのキャストも普段英語を使っているわけではないので、セリフを言い終わったと判断する分かりやすい部分がないんです。自分がこんなことを言うのはびっくりですが、本当に気持ちだけで演じるということしか成立しない状況でした。あと、(劇中で日本語が話せるという設定の)ティエン看護師役のレ・チ・ナさんも全く日本語が話せないのですが、言葉が全く通じないのに音だけで覚えてあんなお芝居を目の前でされていたので、これは負けてはいられないなと。自分はベトナムの彼らにとって初めて会う日本人かもしれないですし、日本代表というくらいの気持ちで臨まなければいけないと思っていました。」と語った。
主人公が眼科医ということにちなんで目にまつわるエピソードを聞かれ、「志郎のセリフで「光を取り戻す」というワードがあって、最初はそれがまるで歌手のようなキレイな言葉に感じてしまい、どうも僕には腑に落ちませんでした。それで悩んでいたのですが、ベトナムで実際に手術をしにいらっしゃった服部先生とお話をする機会がありまして、みっともないのですが光を取り戻すというのはどういう事ですかと聞いたら、“視力が良くなるのと光を取り戻すことでは雲泥の差があって、光を取り戻すということは、物体を把握することであり、それによってまっすぐ歩くことが出来る、そしてそれくらい見えるようになれば仕事に就いて生活の水準が上がる、だから光を取り戻すということは(視力が回復する事と)それくらい差のあることなんです”と仰っていました。そのお話を聞いた後に、患者たちが手術後に目が見えると認識して喜ぶシーンの撮影があったので、より素直に演じることができました。」と話した。
ベトナムロケで印象に残っている事を、「初めて見る光景やチャレンジという意味でも毎日が思い出深くて楽しかったです。シーンで言うならば、少年の患者に網膜を広げる液体を残すしか手がないとなった後、ベトナム人医師たちに人体実験だと弾劾されるところ。だいぶ感情的になるシーンでもありましたし、やはり僕は英語とベトナムが出来ないのでそういった部分ではもう思いっきりやるしかないと思って挑みました。劇中のセリフにもある通り、人前で怒られることを嫌う文化だということを承知の上で、でもそんなこと気にしていられるかという気持ちでテストの段階から医師たちに対して思いっきりやっていたんです。そうしたら周りが引いてしまい、少し変な空気になってしまって。でも、出来ることはそれしかないと考えていたので、そのまま本番に臨んで“これでみんなとお別れだな。嫌われちゃったな”と思っていたのですが、そうしたら言葉が分からないのにも関わらず、看護師の役の方々が僕と一緒に涙してくれていたんです。それがとても印象的で、改めて僕らの仕事は言葉じゃないんだということを教えてもらいましたし、そうやって励ましてもらったり背中を押してもらいながら後半の撮影に臨めたという印象です。」と振り返った。
その後、ベトナムでの撮影中に国仲さんがスタッフ陣へ送ったメールの話題になり、「みんながホームシックにかかっている時に国仲さんからスタッフさんにメールが届いたのですが、国仲さんが心配してくれているという内容だったと聞いて、みんなで“うおー!!”とすごくテンションが上がった記憶があります(笑)。」と明かした。
そして最後に、劇中で関西弁を披露した濱田は昨年まで放送されていた連続テレビ小説「わろてんか」でも同様に関西人を演じたが、「やはり普段使っているわけではないので同じ音はたどれないのですが、一年間「わろてんか」で風太という役をやらせていただいてからのこの作品だったので、気を抜くと“コラお前~!”みたいな下品に言い方になってしまうんです(笑)。それをベトナムでやったらいかんと思ってセーブをしていました。」と話し、笑顔を見せた。
土曜ドラマスペシャル「ベトナムのひかり~ボクが無償医療を始めた理由~」は、1/12(土)21:00~NHK総合にてO.A。なお、BS4Kでは2/3(日)20:45~放送される。
ぜひご期待ください!