MOVIE
濱田岳 映画「ヒメアノ~ル」ジャパンプレミア!
同作は、『行け!稲中卓球部』『ヒミズ』の人気漫画家・古谷実による衝撃の問題作「ヒメアノ~ル」の映画化。
この世の不条理、深層心理の屈折した感情、コミカルな恋と友情、ポップなギャグなど、独特な要素を含みながら、若者特有の将来への不安や恋愛、日常のやり取りをコメディタッチで描きつつ、並走して語られる無機質な殺人事件。ふたつの物語が危険に交わるとき、最大の恐怖が観客に襲いかかる。
メガホンをとるのは『銀の匙 Silver Spoon』の吉田恵輔監督。ユーモラスな人間描写に定評がある俊英が、前半の微笑ましいラブストーリーから一転、狂気が炸裂するサスペンスに突入するジェットコースター演出を展開。原作とは異なるエンディングも用意するなど、観る者を没入させるストーリーテリングで新機軸のエンターテイメントが誕生した。
また、同作のタイトル“ヒメアノ~ル”とは、イグアナ科アノール属に含まれる165種のうちの1種で、体長10cmほどで猛禽類のエサにもなる小型爬虫類。つまり、強者の餌となる弱者を意味する。
「なにも起こらない日々」に焦りを感じながら、ビル清掃会社のパートタイマーとして働く岡田進(濱田岳)。同僚の安藤勇次(ムロツヨシ)に、想いを寄せる阿部ユカ(佐津川愛美)との恋のキューピット役を頼まれ、ユカが働くカフェに向かうと、そこで高校時代の同級生・森田正一(森田剛)と出会う。
ユカから、森田にストーキングされていると知らされた岡田は、高校時代、過酷ないじめを受けていた森田に対して、不穏な気持ちを抱くが・・・。岡田とユカ、そして友人の安藤らの恋や性に悩む平凡な日常。ユカをつけ狙い、次々と殺人を重ねるサイコキラー森田正一の絶望。今、2つの物語が危険に交錯する。
上映前に行われた舞台挨拶にて濱田は、「こんばんは。お足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます。これを観終わって、どんな気分で歌舞伎町を歩かれるのか非常に楽しみです。」と挨拶。
同作の脚本を読んだ感想を聞かれ、「マンガ原作を先に読ませてもらい、読者としてとても楽しく読ませていただきました。制約とかいろいろな縛りがある今の世の中で、だいの大人たちが本気でこの作品を映像にしたいと思っているその船にぜひ乗りたいと思いました。嬉しかったし、僕にとってもチャレンジでしたが、森田剛さんが森田やんのかよ!っていう驚きがすごく強かったです(笑)。」と笑いを交えて話した。
また、周りからの反響について、「映画好きの方々は、本当に大喜びして感想を下さっています。このような作品に出させていただく経験が少なかったので、どんな風に観てくれるのかと思ったのですが、普段メールをくれない人も物凄くお褒めの言葉をくれたりしています。今日初めてお客さまに観ていただくのがドキドキしますが、とても嬉しいです。」と語った。
さらに話題は、原作にも登場する強烈なキャラクターを演じたある共演者の話へと移り、「原作では“きのこのオバケ”とか“きのこ頭”って言われていたのかな。僕とユカちゃんと安藤さんがいて、合コンみたいなことをするシーンがあって、いざ現場でお会いしたら、びっくりしたよね。」と、隣のムロさんへ話を振ると、“原作のまんまの人が来たんです。その人がセリフを一言しゃべると、原作をすぐに越えたんです!俺たちがまだ原作を越えてない時だったからな”と悔しがり、会場の笑いを誘うと濱田も、「原作をポンと越えられて…。いとも簡単だったのでビックリしちゃいました。あの時は、悔しかったです。」と撮影を振り返った。その撮影以降、ムロさんと濱田の合言葉は、“原作を越えよう”になったとムロさんが付け加えていた。
同作は、前半と後半に別作品のようなギャップが特徴の作品であることにちなみ、共演者・監督間でのギャップを感じたエピソードを聞かれ、「ムロ君のギャップのまず一つ目は、これだけ流暢に場数をこなして慣れてらっしゃるのかなって思いましたけど、横で見ると汗だくなんです。以外に余裕が無いなっていうギャップ。あとは、この場所で舞台挨拶ができるっていうことで、浮かれているのか舞台袖でずっとヒゲガール(オカマバー)のことを気にしてました。やはり10年近く古い仲なので男同士の会話を結構してるんです、なのにヒゲガールをずっと気にしてるっていうのが以外でした。」と話すと、共演者や客席へ作り話だと通じず、「あ、嘘つきました。すいません(笑)。ムロ君のギャップは、そんなに無いです。そのまんまです。」と話した。
そして、森田さんから濱田へ感じたギャップについて、“もっと柔らか感じの人をイメージしていたが、実際に会ったらゴツゴツしていて、男らしい人だった。一緒にいて引っ張ってもらっているなという感じがしました”と言われた濱田は、「ありがとうございます、嬉しいです。撮影が順通りに進んでいて、森田さんとガッツリとご一緒するのがクライマックスの撮影からだったんです。それまで僕は楽しい撮影をずっとしていて、森田さんは過酷な撮影をされていて、撮影の空き時間に無言でいるのもなと思って、森田さんに“大変なシーンを何度もやられて、気が滅入ったりしないんですか?”と聞いたら、この作品の森田で、“そりゃ滅入りますよ”と言われていて、とんだ軽口を叩いてしまったなと思いました。膝が笑って、やってしまったなと。それぐらいビビッた思いがあります。」と語った。
イベントの最後には、“ヒメアノ~ル”の合図と共に、ピンクの紙で模られたトカゲシャワーが会場に放たれ、舞台挨拶は華やかに幕を閉じた。
映画「ヒメアノ~ル」は5/28(土)TOHOシネマズ新宿ほか全国公開。
ぜひご期待ください!
(敬称略)