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萩原みのり 主演映画「成れの果て」初日舞台挨拶!
同作は、劇作家・映像作家マキタカズオミが主宰する劇団、elePHANTMoonが2009年に上演した同名戯曲が原作。上演されるやいなや、出演者の⻤気迫る演技と巧みなシナリオが評判を呼び、2009年度サンモールスタジオの最優秀脚本賞を受賞した。当時の⼩演劇界の話題を席巻した傑作が、12年の時を経て映画で甦る。
監督は「gift」「恐怖⼈形」など数多くの映画やテレビドラマの演出を⼿がける宮岡太郎氏。
かつてリアルタイムで「成れの果て」の舞台版を観て衝撃を受けた彼が、⾃主製作映画として完成させた、観た者の⼼に⽖痕を残す衝撃のヒューマンドラマ。
萩原が演じるのは、8 年前のある事件によって⼼に傷を負い、上京した河合⼩夜。その事件に関わった男性が⾃分の姉と婚約したことを知り、居ても⽴ってもいられず帰郷。彼⼥の過激な⾏動と⾔動は、周囲の⼈々をも巻き込み、それぞれの隠された⼈間性を抉り出してゆく......
上映後に行われた舞台挨拶に登壇した萩原は、「皆さん観た直後ということで、どんな感想なのか、どういうテンションで今私がここに立っていていいものなのか難しいのですが、少し気を抜いて少しの時間ですが楽しんでいただけたら良いなと思っています。よろしくお願いします。」と挨拶。
オファーが来た際の心境を問われると、「1番最初はとてつもないものがやってきたという思いだったのですが、最初に本を読んだ時にラストの小夜の選択に『何で!?』と怒りが沸き上がってきて、どうして(私とは)真逆の選択を小夜は取ったのかということがすごく気になって、小夜になってその景色を見たいという気持ちと、分からない私が演じていいのかなという気持ちがあって、こんなにもオファーをお受けするかどうか悩んだ作品は初めてでした。本の中で小夜が1人な気がして、叫んでいる感じがして、そこにいたいというか私もこの子の横に行きたいという思いが不思議と湧いてきて、多分読んだ瞬間から小夜のことがすごく好きだったんだと思います。」と明かした。
小夜を演じるにあたって、どんなアプロ―チをしたか聞かれると、「何からしていいのか本当に難しくて、とにかく脚本を読んだ後に布施野さんに対する思いを紙に一気に書いたんです。そしたら止まらなくて、止まらなさ過ぎて、最後の選択にいけるのかなと思ったので、本当の意味で小夜を理解できたのは現場に行ってからだったのかなと思っています。初めて布施野さんとお芝居をした時に見る事も出来なくて、そっちを見るだけでギリギリ保っている何かがこぼれそうで。この人の事を見てないからこそ、この人に対する怒りがぼろぼろ溢れてこぼれてくるというところで腑に落ちた部分がありました。」と話した。
辛かったシーンについては、「全部なんですけど、意外と1番最初の『ただいま』のシーンは、『みんなすごく嫌そうじゃん』って(笑)。ただいまがあんなにおかえりにならないことがすごく苦しかったです。あのシーンは1番最初に撮ったのですが、逆にあれでスイッチが入りました。この空気に絶対負けないぞと、あの空気であそこに立つことができて、そこからインすることが出来たのは大きかったです。」と振り返った。
そして最後に、「私はこの作品を通して、根に持つって意外と暗いことじゃないんだなと思って、今は根に持ちまくればいいんじゃんと思うようになりました。忘れたくても忘れられない事ってきっと忘れられないんです。それを無理に忘れようとするんじゃなくて受け止めて、やってしまったこと、言ってしまったこと、やられたこと、言われたことを大事に自分の中に留めて一緒に生きていくという選択も大事なことなのかなと思うようになりました。難しい題材ではありますが、1人でも多くの方にというより誰か1人でもいいから、その人にとっての心強いお守りみたいな大事な作品になってくれたら嬉しいなと思っています。今日はこの場に来て下さった皆さん、本当にありがとうございました。」とメッセージを送り、締めくくった。
映画「成れの果て」は、新宿シネマカリテ他全国順次公開中!
ぜひ劇場でご覧ください。