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市原隼人 「劇場版 おいしい給食 卒業」大ヒット御礼舞台挨拶!
同作は、1980年代の中学校を舞台に給食マニアの教師・甘利田幸男(市原)と生徒・神野ゴウ(佐藤大志)による、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描いた学園グルメコメディ。
卒業式前の暴食。給食マニアの、給食愛のための、プライドを賭けた、最後の戦い――
1986 年、秋。黍名子中学で3年生の担任を持つ甘利田は、受験シーズンに突入するにも関わらず、給食の献立表のみを気にしていた。学年主任の宗方早苗はそんな甘利田に呆れつつ、彼女自身もある悩みを抱えていた。
そんなある日、甘利田にとって受験以上に気になる事件が浮上する。給食メニューの改革が決定されたのだ。不穏な空気を察知した甘利田は、給食を守るために立ち上がる!果たして受験は?卒業は?進路は?そして、中学最後のうまそげ対決、勝者はどっちだ!?
市原は同作の主人公で、給食に愛がある故にそれを愛せない奴を許せない「給食絶対主義者」、甘利田幸男を演じている。
上映後に行われた舞台挨拶にて、「本日は足を運んでいただきまして本当にありがとうございます。なかなか正直になれないすました不動産屋を演じていても、鎌倉のほうで武士を演じていても、どこかで給食のことを考えていると噂になっていると噂になっています(笑)。それほどまでに僕を振り回してくれる甘利田幸男を演じさせていただきました。短い時間ですがよろしくお願いします。」と現在出演中のドラマ「正直不動産」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を織り交ぜながら、同作への愛を語った市原。
満員の客席を前に、「本当に夢のようです。シーズン1のクランクインの前夜のことを今でもはっきりと覚えているのですが、その時はドラマのシーズン2や劇場版第2弾を作るとは夢にも思っていませんでした。連日、多くの方々が映画館に足を運んでくださることに、これ以上のない感謝を申し上げます。ひとえにシーズン2と劇場版の第2弾はお客様に楽しんでいただくために、そのことだけしか現場では考えていませんでした。綾部(真弥)監督も初日から声がかれていました。僕らの存在意義を改めて信じさせていただいた事に、感謝申し上げます。本当に本当にありがとうございます。」と思いを語った。
甘利田と土村芳さん演じる宗方早苗先生との関係について、「土村芳ちゃんの屈託のない笑顔が大好きで、この方が何か思う事があれば、何も考えずに賛同し応援したくなるような方。そんな方がヒロインで僕はとてもうれしかったです。ありがとうございます。甘利田としては、自分の感情を押し殺しているシーンは苦しかったです。ですが、早苗先生と甘利田先生の間にしか流れない、せつなくも歯がゆい距離感が青春を味わっているようで好きでした。青春というのは10代、30代、50代、そして100歳でも味わえると思っています。貴重な青春を味わうことができましたし、皆さんもぜひこの作品の中で青春を味わっていただけたらと思います。」と話した。
また、甘利田と佐藤大志演じる神野ゴウの関係性については、「大志が大好きですよ、僕は。初めて会ったのは大志が13歳のころ。僕のデビュー当時のころと重ねながら見ていて、“ちゃんとご飯食べているかな?”“ちゃんと眠れているかな?”“勉強は大丈夫かな?”“現場は楽しめているかな?”などといろいろなことを思い、親戚のような感覚で応援しながら一緒の時間を過ごしてきました。神野ゴウとは、あの日、あの時、あの場所であの人と過ごしたことは一生涯忘れられないんだろうというような思いでした。それは佐藤大志ともです。今回、(佐藤が)15歳になって大人になっていたんです。映画第2弾の深川めし(の回)でダイブするシーンがあるのですが、もちろん今も大志は無垢ですが13歳のころは現場で寝ちゃうくらいかわいらしかった。ちょっと大人になっていやがったんですね(笑)。悔しくて、どうにかして笑わせたくて気がついたら、今作の深川めし(の回)でダイブしていました。」と笑顔でエピソードを語った。
その後、真野浩太を演じた勇翔さん、真田を演じた田村侑久さんから名古屋での舞台挨拶時に、市原から同作への熱い思いを語ってもらったという話題を受け、「技術スタッフ、演出、演者、制作サイドが愛を持った作品は意外と少ないんです。どんなことがあっても夢がビジネスを上回らないといけないと思っています。でもそれはなかなか難しいことで、この作品は僕の夢なんです。ひとえにお客様に楽しんでいただきたいという思いだけで、第2弾の今作が生まれました。その思いをぜひ分かっていただきたく、みんなが必要とされているんだということをお伝えさせていただきました。」と当時の真意を語った。
ここからは事前にSNSで募集した質問に答えるコーナーへ。市原へ“甘利田先生が警備員から逃げるシーンで、階段の上から下へ大ジャンプする場面があるが、スタントはなく甘利田先生本人ですか?またマットなしでしたか?”という質問が読み上げられ、「マットはありません(笑)。この作品で純粋に伝えたいのは大衆に向けるエンターテイメント。お子様からキャリアのあるご年配まで、すべての方に楽しんでいただくことを目標に作ってきました。またそれ以上に、映画というコンテンツでは普段見られない人の姿をも見ていただきたくて、気がついたらジャンプをしていました。」と笑顔を見せた。
“劇中と同様、今の気持ちを習字で表すと?”という質問には、「『浪漫』です。作品や芝居を通して、人と人との架け橋になることが映画やドラマの根源だと思っています。誰かのためになりたかったり、夢や希望を持っていただくことが僕の夢でもあります。その夢をお客様によって見させていただいているので、浪漫を感じます。僕たちの職業は『衣食住』には入っていなので、なくても世の中は成立してしまうんです。だからこそ存在意義を生み出すために試行錯誤しながら必死にもがいています。それは決してカッコいいものではなく泥臭いもので、泥水に手を突っ込んで、なんとか夢を探り当てる世界。その夢を見させていただけるのはお客様しかいません。浪漫を見せていただけたということで、その文字にいたしました。」と答えた。
その後、綾部監督の順番となり、“そういえば、市原君は先ほどの打ち合わせで違うこと言ってなかった?”と言われ、「『函館』ですか?夢を乗せて函館に行こうかなと。次は函館の景色を背負いながら、お会いできることを楽しみにしています。」と次回作への期待を寄せた。
そして最後に、「大ヒット舞台挨拶ができることのありがたさは言葉では表せません。本当にありがとうございます。甘利田のようにどんなに笑われても恥ずかしい思いをさらけ出しても、好きなものは好きと胸をはって精一杯人生を謳歌すること、人生を楽しむ気持ちをいつまでも忘れないでください。その楽しみの中に「おいしい給食」という作品を入れていただけたら嬉しいです。作品の舞台は1980年代。密になることで人が人を支えて、人が人を称えあっていた時代です。その人間愛がとても好きで、作品の中の登場人物たちの昭和の時代だからこそ見えてくるチャーミングな人間模様が大好きです。この作品は、今の目の前にある壁に向かって皆さんと一緒に共闘するような思いでもあります。皆さんに贈るエールのような思いで作って参りました。主題歌の『君の花』の歌詞にある通り、どんなことがあっても大丈夫。悲しみに打ちひしがれることや、うまくいかないことも本当に沢山あると思います。膝を抱えて泣いた夜も僕もあります。でも、乗り越えられない壁はないと思います。誰かが決めたしがらみやルールに縛られてどうしようもなくなった時は、どうかご自身の道を信じて歩いてください。もし転んだら皆さんが立ち上がるまで「おいしい給食」と僕たちが、いつどんな時でも見守り続けながら応援しています。心の隅でもいいので“甘利田幸男って滑稽な姿を見せながらも一生懸命生きていたな”と、“僕も、私ももっと楽しんで人生を生きたい”と思っていただけたらうれしいです。そんな思いで作りました。ひとえにお客様のためにエールを贈る、恩返しの思いだけで作った作品です。今日はお会いできてうれしい限りです。短い時間でしたがありがとうございました。」とメッセージを送った。
この日は、黍名子中学の生徒役を代表して、山﨑玲奈さん、細野涼聖さん、望田咲空さん、上阪悠斗さん、羽賀凪冴さんがサプライズ登壇。市原へ生徒たちの寄せ書きがプレゼントされ、「一生懸命、いろいろな壁を乗り越えて頑張ったね。辛いこともたくさんあったけれど、ひとつの作品を作り上げてくれてありがとうございます。可能性しかない皆さんとご一緒できたことは、僕の誇りです。毎朝、みんなに会うことが楽しみで、みんなが笑ってくれたらうれしくてそれだけで幸せでした。カットがかかってからも楽しそうに給食を食べ続けるみんなの姿が大好きです(笑)。またご一緒できるように僕も芝居を精進します。その時は土産話をたくさん持って、たくさん話をしましょう。生徒のみんなにお客様の顔を見ていただけて、すごくうれしいです。このために頑張ってきたもんね。生徒のみなさんがいなかったらこの作品は成しえなかったので。心から感謝しています。ありがとうございます。」と5人への感謝の気持ちを語った。
さらに、「お客様の皆さん、是非、生徒ひとりひとりのことを応援してあげてください。よろしくお願いします。」と客席に呼びかけると共に、「みんなデカくなってやがる(笑)。大人になるのは早いね。ドキュメントの様に子供のたちのその一瞬を切り取る作品もいいね。しみじみ思ってしまいます。」と感慨深い様子で語った。
「劇場版 おいしい給食 卒業」は、現在大ヒット公開中。
ぜひ劇場でご覧ください!