LIVE
ONE N’ ONLY マイナビBLITZにて5大都市ツアーファイナル終了!11月東名阪Zeppツアー開催決定!
一階のスタンディングフロアから二階席までを埋め尽くしたSWAGたちが待ち受けるなか、アグレッシブな四つ打ちビートで7人がステージに進み出ると、いきなりEIKUの歌声が場内を突き抜けて「Sexy Beach Party Yes!!」からライブはスタート。MVが200万回再生を突破した開放的なビーチと、そこに集う大胆不敵なエネルギーを集約したような熱いEDMパーティチューンに、すし詰めのSWAGたちはグループカラーである白のペンライトを振り上げて大きく揺れる。衣装の黒いラメジャケットよりもまばゆい輝きを放つ7人に客席はどよめき、HAYATOの「一緒に!」という煽りに応えてタイトルワードを合唱。かと思いきや、「Everything’s Changing」では柔らかなリズムと囁くようなボーカル、ストーリー性豊かなダンスにメンバーのお茶目な仕草や投げキスまで交えて、数分前が嘘のような甘いときめきを与えてくれる。
しかし、なんと言っても序盤で驚かされたのは、ここから続いたドープな2曲だろう。タフなサウンドとサークル状になってのダンスが印象的な「LA DI DA」で危険な香りを振りまき、未音源化曲ながら早くもライブで人気曲となっているのを納得させると、自己紹介を挟んで雪崩れ込んだのは激情型ラブソング「Black Hole」。HAYATOがApeaceのヨンウクと共作した振りを軸に、曲頭のラップを担当するKENSHINをキーパーソンとしたセクシーなパフォーマンスでSWAGに悲鳴をあげさせ、場内の全員をONE N’ ONLYという名の沼に奥底まで吸い込んでいく。そこで繰り広げられるタメとメリとハリの利いたダンスも、3ボーカル2MCの個性を最大限に活かしたスリリングな歌い継ぎも、素晴らしく洗練されたもの。単なる勢い任せではない地に足のついたテンポに乗って、この1年間ストイックにONE N’ ONLYの世界を追求してきた7人の真摯な姿勢と努力の成果が、そこにしっかりと表れていた。
また、スターダストプロモーション所属の若手男性アーティスト・EBiDAN(恵比寿学園男子部)内のユニットであるEBiSSHとさとり少年団の合同プロジェクト、というのがONE N’ ONLY誕生の経緯であるがゆえに、中盤では2グループそれぞれのナンバーも披露。さとり少年団のEIKU、HAYATO、KENSHINは「Winter Life」でフロアを巻き込みながら軽やかに踊り、跳ねて、ONE N’ ONLYとは全く違うコミカルな世界観を展開。客席のペンライトも白からさとり少年団のカラーであるオレンジに染まるが、そこにTETTA、REI、NAOYA、KOHKIの4人が加わってEBiSSHの「KIMI GA SUKI」が始まると、今度はEBiSSHカラーの赤へと一気に変わる。おまけにポップに両手を振るSWAGの前で7人でじゃれ合ったり、曲終わりにはNAOYAとEIKUが肩を組んで「俺のこと好き?」と満面の笑顔を浮かべたり。そんな光景が見られるのもONE N’ ONLYのライブならではだが、さとり少年団の3人が舞台を去るや否や“I love you BAE BAE”という呟きで「恋はタイミング」を幕開けたNAOYAの変貌ぶりも見どころだった。ちなみに同じラブソングでも、ONE N’ ONLYが帝王ならEBiSSHは王子様といった趣。その両者を一つのステージで楽しめるのも嬉しい。
「2グループが合わさってONE N’ ONLYになるんじゃなくて、さとり少年団とEBiSSHが一緒にやってるっていう世界観を意識した」と終演後の取材でHAYATOも述べた通り、いわば7人でのコラボレーションはONE N’ ONLY、EBiSSH、さとり少年団に続く第4の個性。さとり少年団の3人をダンサーに加えて行われたEBiSSHの「Just Like Me」では、高低差の大きい声音を効果的に使い分けるREIに、エモーションの温度を巧みに変化させるTETTAと、EBiSSHボーカル組が存分に個性を発揮しつつ、最後は7人全員でマイクを握ったのが熱い。EBiSSHのメンバー紹介曲「Let’s EBiSSH!」を挟み、さとり少年団の「夏へダイビング」が始まると、柄シャツに着替えた7人が再びそろって全員でタオルを回して、HAYATOは「冬の曲で始まって夏の曲で終わった。SWAGと1年過ごした気分だわ!」と破顔してみせた。
再びONE N’ ONLYのターンに戻ると、今ツアーから登場した未発表曲「HOLIDAY」でSWAGと一つに。親指と小指を立てる“HOLIDY”ポーズを客席にレクチャーし、ストロングなダンスビートに乗せて共にジャンプして、真夏に弾けるパッションを感じさせる。さらに、初恋を歌った「POP! POP!」でもSWAGたちと一緒に大きく手を振って、想いを通わせ合ったりと、意外にキュートな側面も。「楽曲の攻撃性や激しいダンスや歌を軸としつつ、たまに見せる可愛らしさとのギャップもONE N’ ONLYの魅力だと思う」と終演後にREIも語っていた通り、決して近寄りがたい存在ではないのだ。
メンバーいわく「(このツアーで)一番大きかった」というSWAGたちの声に応え、贈られたアンコールがまた濃密だった。暗闇に沈むステージに7人が浮かび上がって、まず始まったのは「What About This?」。REIの艶めかしい低音ボーカルからTETTAの高音、EIKUのハスキーボイスと3ボーカルが引っ張り、ひたすらに妖しく魅せる7人には一種の余裕すら感じられ、思わず19〜22歳という実年齢を疑いたくなってしまう。そして最もSWAGたちを唸らせたのが、地方公演のラストとなった前回の仙台公演で初披露された未発表の新曲「Category」だ。真っ赤なライトに鳴り響くサイレン音からHAYATOとKENSHINの歪んだラップへとつなぎ、理解のない社会への憤りをぶつけるハイスピードEDMチューンは、振り付けにHAYATO自身も参加。彼いわく「振りをつけるときに意識しているのは曲の世界観。体力もギリギリのラインでやることで熱量が出せるから、今回も難しく、激しく!を意識した」とのことで、事実、マッシブな響きとの相互作用により、また一つ新しいONE N’ ONLYの境地を拓いてくれそうだ。取材の際には「前回、披露した仙台から振りが少し変わって、みんなで話し合いながら1週間で固めて。今日、一列になって披露できたときは“あ、一つになれてるな”と幸せを感じられた」とKOHKIも伝えてくれたので、今後いかにライブで成長していくか期待大。「音の取り方が細かくて、メンバーを活かす振りを第一に付けてくれる」(TETTA)、「すぐに最新の振りを取り入れてくれる」(REI)とメンバーが絶賛したHAYATOの振り付けと共に注目してほしい。
さらに、いきなりの100万回再生突破でシーンに衝撃を与えたデビュー曲「I’M SWAG」で重低音を轟かせたのに続き、最新シングル「Dark Knight」と攻撃力満点の代表曲を畳みかけて、クライマックスに向け一気に攻勢をかける展開も実に濃厚。特に「Dark Knight」では飛び交うレーザー光線のなか、各メンバーが静と動を瞬時に入れ替える巧みなフォーメーションでSWAGたちの目を奪い、サビでは全員でコウモリのように手を広げてフロアを威嚇する“バットダンス”で、夜の帝王たるドラキュラにも似た風格を漂わせる。ライブで初披露されたのは1年前の1stワンマンツアーで、終演後のNAOYAは「当時よりパフォーマンスも表情も確実にレベルアップした」と自信を見せてくれたが、まさしくその通り。チャート1位を納得させるパワーに銀テープも飛び、曲が終わると「初めての銀テープ!」とメンバーも喜んでみせた。
しかし、彼らが選んだ幕切れはそんな華やかなものではなく、「別れた彼女のことを忘れられない男の歌。このライブが終わって、SWAGと別れた後の僕らの気持ちにも似てるんじゃないかな」とREIが前置いた「Bla Bla Bla」で、SWAGにしっかりと想いを伝えることだった。初挑戦となったミディアムバラードでダンサー陣は感情を爆発させ、スポットを浴びたTETTA、REI、EIKUの切ない歌声が聴く者の胸に刺さる。「最初にライブでやったときに全然上手くいかなくて、3人で話し合って。ようやく最近は自信を持って歌えるようになった」という取材時のEIKUの言葉通り、失った愛への想いを真っ直ぐに届ける彼らの瞳に迷いはなかった。
すべてのメニューを終えて一人ひとりが心境を語ったMCでは、「“応援してます”っていう一言が日々僕を動かす原動力になってます。今日、ツアーを完走できたのが幸せな人生の1ページになりました」と語ってREIが感極まる場面も。「楽曲もSWAGもメンバーも好きで、この7人で頑張っていきたい。これからも大きい会場を全部制覇して天下とりたいなって、これは僕の本心なんですよ」とKENSHINが気勢をあげれば、KOHKIも「世界征服を夢に見ながら……何のために生まれ、何のために生きてきたのかわからないまま終わるのは嫌なんで」と某アニメソングの歌詞をすかさず引用するのが上手い(笑)。「SWAGの心の中に僕らが生き続けるように頑張りたい」というEIKU、「本心からみんなを笑わせられる男になれるように日々、自分を磨いていく」というTETTAと、コメントでもそれぞれの個性を発揮しつつ、「ちょっとスタートダッシュしたくらいなんで、これからですよ。この先も1位を取り続けられるように、もっともっと上に行きたい」と胸を張ったHAYATOの言葉を裏付けるように、ここで11月に東名阪Zeppツアーが行われることが発表されると場内からは大歓声が! 取材で「今後の僕たちについていきたいと思ってもらえるようなライブにしたかった」と告白してくれたNAOYAは、それを証明するかのように「まだまだ始まったばかり。もっとでっかいところに連れていくんで!」と宣言し、大盛況のツアーを大成功のうちに締めくくった。
順風満帆に見える彼らだが、それには相応の汗と涙と努力と覚悟があったのだと確信できた2時間のステージ。世界を目指す彼らの歩みは、さらなる大きな決意を背負って続いてゆく。
文:清水素子
■セットリスト
01. Sexy Beach Party Yes!!
02. Everything’s Changing
03. LA DI DA
04. Black Hole
05. Winter Life (SBC)
06. KIMI GA SUKI (EBiSSH)
07. 恋はタイミング (EBiSSH)
08. Just Like Me (EBiSSH)
09. Let’s EBiSSH! (EBiSSH)
10. 夏へダイビング (SBC)
11. HOLIDAY
12. POP! POP!
ENCORE
En1. What About This?
En2. Category
En3. I’M SWAG
En4. Dark Knight
En5. Bla Bla Bla
■Zeppツアー情報
「ONE N’ ONLY 〜EBiSSH×SBC〜 Zepp Tour 2019」
11月3日(日) Zepp Osaka Bayside OPEN 15:00 / START 16:00
11月4日(月祝) Zepp Nagoya OPEN 15:00 / START 16:00
11月24日(日) Zepp DiverCity OPEN 15:00 / START 16:00
オフィシャル先行受付
6/16(日)19:00~6/22(土)23:00
https://l-tike.com/st1/onenonlyhp
■ONE N’ ONLY オフィシャルサイト
http://one-n-only.jp