「オーディションの前は実は『薄桜鬼』の世界にほとんど触れたことがなかったのですが、TVシリーズと劇場版のアニメを一気に観て、すっかり虜になってしまいました。『どうしても千鶴ちゃんがやりたい!』と思って、アニメと台本を照らし合わせながらセリフを覚えて、YouTubeで見よう見真似で殺陣を練習してオーディションを受けた際、私ひとりだけ帰りのエレベーターに乗りそびれてしまったんです。そこにプロデューサーさんが通り掛かって『お疲れ様です!』とご挨拶したら、『ちょっとこちらに来てください』と会議室に呼ばれて、学校のことやこれまで出演したドラマのことなどさらに詳しくお話させていただいて。そうしたら後日、『千鶴ちゃん役に決まりました!』とお知らせをいただきました」
「ものすごく嬉しかったのと同時に、長年多くのファンから愛され続けている原作モノのヒロインを初めて演じることに対するプレッシャーですごく不安になりました。決まってからクランクインまでの期間、ミュージカルで千鶴ちゃんの役を演じられた方たちのSNSやインタビュー記事を読んで、どんなところに気をつけながら演じていらっしゃったのかを色々調べました。ゲームも実際にやり、『薄桜鬼』への理解をさらに深めた上で、ファンの方がコスプレしている写真も参考にさせていただきました」
「台本読みの時に、事務所の大先輩で近藤勇役の田中幸太朗さんと隣の席だったので、少しだけお話しさせていただきました。みなさん優しそうだなと思って安心したのは覚えています。セリフや殺陣の練習はもちろん、行動を共にする「新選組」の隊士を始め、『薄桜鬼』のキャスト・スタッフの皆さんのことを愛せないと、このドラマの千鶴ちゃん役は務まらないと思ったので、『新選組を愛するぞ!』という気持ちを何より大事にしながら演じました」
「千鶴ちゃんの部屋の窓の形まで原作と同じように再現されていたので、セットの中に入った瞬間『本当に千鶴ちゃんになれたんだ!』と実感が湧いてすごく嬉しかったです。台本読みの時とは打って変わって、土方歳三役の崎山つばささんを始め、『新選組』の隊士役の皆さんが凛々しい和装姿でいらっしゃったことにも感動を覚えました。『新選組』の中でも指折りの剣の腕前を持つ斎藤(一)さんを相手に、無謀にも千鶴ちゃんが腕試しをするシーンがあって、撮影前に殺陣の稽古もたくさんやりました。リハーサルまではずっと軽い刀で練習していたんですが、本番で実際に使う刀はすごく重くて(笑)。練習では峰打ちに返すところが難しくてなかなかコツがつかめなくて苦労したんですが、殺陣の先生の熱心なご指導のおかげで、本番ではなんとか上手くできました。有名な『池田屋事件』のシーンでは、『新選組』の隊士の皆さんの殺陣の迫力を目の前に、思わず圧倒されてしまいました。張り詰めた現場の空気を邪魔しないように気を配りながら、『千鶴として皆さんを支えられるように精一杯頑張ろう!』との一心で演じていました」
「最初、自分のなかでは千鶴ちゃんはもう少し可愛い感じの喋り方をするんじゃないかとイメージしていたんですが、現場に入ってから監督やプロデューサーさんたちともいろいろと話し合い、千鶴ちゃんの心情に合わせて、声のトーンや動きを細かく作り上げていきました。撮影の合間に隊士の皆さんが殺陣やセリフの練習に付き合ってくださったのも、感謝しております。隊士の皆さんも隙あれば撮影所内のジムで感染対策をしながら筋トレに励んだり、殺陣を練習されたりしていたので、『私も負けていられない。頑張らなきゃ!』って、刺激を受けました」
「『WOWOWオリジナルドラマ薄桜鬼』は、史実を忠実に再現しながらもそこに隊士たちとの甘酸っぱい恋模様や風間千景を始めとする鬼の一族との関係なども入り混じった、『新選組』をいろんな角度から見ることができる新しい作品です。ずっと周りに守ってもらう存在だった千鶴ちゃんが、ドラマを通じて少しずつ強くなり、やがて『新選組』の皆さんの心の支えになっていく。そんな千鶴ちゃんが成長していく姿にも、注目して見ていただけたら嬉しいです。『薄桜鬼』シリーズには、すべての原点になった乙女ゲームはもちろん、アニメもミュージカルも沢山あるので、この機会にぜひ併せて楽しんでいただいて、『薄桜鬼』の沼に浸っていただきたいです。『薄桜鬼』ファンの方はもちろん、時代劇がお好きな方やダークファンタジーがお好きな方など、ぜひとも多くの方に見ていただきだいですし、いつか機会があれば私も再び映画村を訪れて、『ここが池田屋があったところだ!』『ここで古高(俊太郎)さんを捕まえたんだよなぁ』と“聖地巡礼”をしながら撮影当時の思い出に浸りたいです!」
「私には、80年後ぐらいに『私の人生そのものを(NHKの)朝ドラのストーリーにする』という夢があるんです。『朝ドラ』にはもちろん出てみたいという気持ちもあるんですが、『いや、私がなりたいのは、むしろこっち(モデル)側だな』とふと思った時があって。『薄桜鬼』は間違いなく私の俳優人生の原点であり、撮影当時、高校1年生だった私の拙い演技で、皆さんにたくさんご迷惑をおかけしたものの、お芝居するのが楽しくて、自分自身も成長できたすごく思い入れのある作品なので。やがて製作されることになるであろう“若柳琴子の人生をモデルにした『朝ドラ』”のエピソードの一つとしてぜひ出てきて欲しいです(笑)」
Writing/渡邊玲子
TV
1月7日(金)スタート
毎週金曜よる11:30~
WOWOWプライム・WOWOWオンデマンドにて放送・配信
第1話無料放送
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