「脚本を読んだときに、人間が描かれていて、人と人とが関わっていく温かい話だと感じました。私は岡山県には行ったことがなく、桃畑の風景も想像できなかったんですけど、自然豊かな場所だろうなと想像が膨らみました。こういうところで人間ドラマを描いたら、素敵な世界の作品になりそうだなと思いながら、読みました」
「本当に人間らしくて、笑ったり、怒ったり何でもしますし、強い部分もあれば弱い部分もある女性。こういうキャラクターだよね、というよりは、いるよねと思える人物だと思いました。顔合わせのときに佐々部監督からも、何も作らず、ナチュラルに演じてほしいと言われました。桃についての知識はもちろん入れましたが、「彩音と高梨臨の中間で」という指示もされていたので、彩音を演じるための特別な役作りはせず、私そのままと言っていいと思います」
「どうしてもセリフを伝えようとしてしまうので、最初は難しく感じました。でも、ただしゃべり、表情も一つ一つ作らないよう心がけました。リハーサルなどで監督に余分なものをそぎ落としてもらい、何もしない、何も考えないことを目指しました」
「特にクライマックスに走るシーンがあるんですけど、モモちゃんにはすごく愛着があり、私の分身のように思っていたので、思い出深いシーンとなりました。暑い中、モモちゃんの着ぐるみを着て走るのはサウナの中にいるようでものすごく大変でしたが(笑)、その道で自分を助けてくれる人と出会っていくというシーンだったので胸が熱くなりました。高梨臨と彩音が完全にリンクしているなと実感して、思い出深い好きなシーンです。ほぼ順撮りだったので、あのシーンでは撮影が終わりかけている淋しさも感じていました」
「斎藤さんとは何度か共演させていただいていて、面白い方ですし、安心できる空気感を作ってくださいました。カメラが回っていないとき、ペラペラとくだらない話ばかりしていたのですが、自然でいられる方なので、その私と斎藤さんの関係が彩音と治の関係にもいい影響を与えているなと思います。実際木村さんみたいな人がいたら? うーん、私的にはないですね(笑)。でも、だんだん木村さんも成長していって夢を見つけていくので、そこは良かったなと。彩音や赤磐の人々の出会いで変わっていって、彩音に夢をまた見させてくれるので、後半は素敵だと思います(笑)」
「すごく素敵な場所でした。撮影で3週間赤磐市に滞在したんですけど、緑と太陽のパワーがすごい場所で、元気と幸せをもらいました。コンビニが近くにない場所で最初は不便じゃないかな?と思ったんですけど(笑)、すぐ慣れました。撮影期間中、岡山にどっぷりに浸れて、岡山が好きになりました。また、岡山に行く前まで、桃の木は見たことがなかったのですが、接ぎ木をして、どんどん横に大きくなっていたことに驚きました」
「彩音は、東京で女優になるという夢を諦め、赤磐に帰ってきて、兄から受け継いだ桃がありました。途中で心が折れてしまうけれど、斎藤さん演じる治に出会い、また桃を頑張ろうという新しい夢がつぎ木のように生まれ、また伸びていきます。夢は必ずしも全てが叶うものではなく、達成できないこともたくさんあると思います。でも、それは別の夢に向かえるように種を撒いているのかもしれません。ダメなときはつぎ木をして、新しい芽が見えたらいいなと思っています。私自身に関しては、いまこの仕事をさせてもらって、一つ一つの出会いが新しい夢につながっていると感じています。また岡山に行きたいですし、また佐々部監督や斎藤さんたちとお仕事がしたいという夢が新しくできました。この作品を通して、一つ一つの出会いを大切にしたいなと感じました。また、私のモットーはやったことがないこと、知らないことに常にチャレンジしていくこと。この作品では行ったことがない岡山に行けましたし、これからも行ったことがないこと、やったことがないことにどんどん挑んでいきたいです」
「いろいろな場所に行き、多くの人と出会い、人間性を豊かにしてくれるのが、女優業の魅力だと思います。挫折をして心が折れそうなときこそ、新しい挑戦をすることで、夢や出会いの扉が開いていくと思うので、日々、種をまいています」
「彩音を演じる上でフラットな芝居を目指し、監督が余分なものをそぎ落としてくれました。私自身をリセットしてくれた作品ですし、とても貴重なものになったと思います。この作品は、誰が観ても楽しめるエンターテイメント性のある人間ドラマです。私自身、岡山県赤磐市で撮影をして感じた、人と人との密なつながり、温かいからこそ感じるほっこりした部分を表現しました。みなさんにも、その温かさを感じてもらえれば嬉しいです」
Writing:杉嶋未来
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