「桧吏くんとは以前『約束のネバーランド』という作品で共演させてもらって、この作品の3次オーディションで一緒だったんですけど、ものすごく安心して、桧吏くんとまた一緒にお芝居がしたいと思いました。このときサニーもオーディションで一緒になって、この子はすごい!と思いました。やる気が伝わってくるくらいオーラがあって、一緒に受かってお芝居ができたらいいなって。結果、3人とも合格することができたのでものすごくうれしかったです。そのあと、文香ちゃんの出演が決まって、4人でがんばりたいと思いました」
「桧吏くんがやっているゲームを一緒にやったり、みんなで話すうちにすぐに仲良くなりました。男子3人と女子1人で、男子3人のときと文香ちゃんが混じったときの空気感が変わるかなと思ったんですけど、実際はそんなことはなくて、4人でいつも楽しく喋っていました。3人とはリハーサル期間から撮影まで、約4ヶ月一緒にいたので、本当の親友のように過ごせた毎日が僕の宝物です。主演の桧吏くんは、文香ちゃんやサニー、僕の大切なシーンだから本読みしようって言ってくれたり、自分のシーンでも、みんなに付き合ってほしいって声をかけてまとめてくれて、すごくありがたかったです」
「桧原作の「おばけずかん」は、小学生のときに図書館でよく読んでいた大好きな本で、台本を読んだときは、自分の好きな物語が映画になることにまず感動しました。物語もとても面白くて、台本の中のいろんなシーンを、こういう風になるのかなーって想像しながら読みました。小学生のときは、“今日はなんのおばけずかんを読もうかな”ってワクワクしながら借りていたので、脚本を読みながらもずっとワクワクしていました」
「山崎監督から、太一は大人を信じていない、世間をなめている男の子だと教えていただいたので、大人に対して反抗的な態度をとることをまず意識しました。瑤子先生に対しても『瑤子先生』とは言わずに『とりま先生』とか別の言い方をしたり。でも、友達に対しては違っていて、すごく友達思いで自分が率先して前に出ていき、みんなを守ろうとします。太一が誰よりも早く前に出ていくところを意識して、空き時間に4人でいる時も、みんなに声をかけて誘ったりしていました」
「元気で人見知りをしないところですね。太一は誰に対しても壁がなくて、瑤子先生と初めて会ったときもすぐ話しかけるんです。あと、似ているのは、すぐ前に出るところです。僕の場合は、ゲームをやっていてもすぐ前に出ていってやられてしまうタイプなので、そこは似ているなと思います(笑)。運がいいときは、前にすぐ出ることでどんどん敵を倒せることもあるんですけどね(笑)」
「洋服は用意していただいた中から選んでいいと言っていただきました。僕自身、派手な色が好きだというのもありましたし、太一の性格を考えて目立つ色にした方がいいと思って選びました。桧吏くんが演じる一樹は、いざというときはリーダーシップを発揮するけど、普段はおとなしい性格の男の子なので白い服、逆に僕が演じる太一はぐいぐいと前に行くタイプなので、赤になりました。ヘアスタイルも長めなのでピンでとめて、そこも太一の個性になったかなと思います」
「本番の撮影前までは、スタッフさんが『おばけたちはここにいるから』って置物や目印になるものを置いてくださったんですけど、いざ本番になると本当に難しくて(笑)。これでいいのかなって思いながらの撮影でした。でも、僕は高いところが大好きで、吊られて撮影することが多かったので、楽しさもありました。雲梯(うんてい)というおばけにつかまって空を上るシーンでは、クレーン車で空に吊られて、撮影が終わった後、あまりの楽しさに桧吏くんと顔を見合わせながら、『わーっ』て叫びました(笑)。それを見てサニーがいいなぁって(笑)。怖さは一切なくて、できることならもう一回やりたいです。難しくて悩んでしまったこともあるんですけど、その時は新垣結衣さんがアドバイスをしてくださったので乗り越えることができました。同世代の桧吏くんも引っ張ってくれたし、監督も毎日必ず僕たちのところに来てくださってほんとにいろんなことを教えてくださったんです。監督や共演者のみなさんのおかげで、たくさんのことを勉強できたなと思います」
「VFXが中心の世界観だったんですけど、その場ですぐVFXを作ってこういうおばけが出てくるよって教えてくださったので、お芝居をする上でも助けになりました。サニーが一反木綿(いったんもめん)に乗るシーンも、VFXでこうなるって見せてくださったり、勉強になりました」
「全部いいなって思うんですけど、特に好きなのは身代わりおばけです。桧吏くんがどんどん小さくなっていくのが面白いなと思いました(笑)。おばけの声を演じる声優さんもみなさんすごい方達で、その点でも楽しめると思います」
「山彦(やまびこ)と戦うシーンは太一が大活躍するので、もちろん頑張ったんですけど、百目(ひゃくめ)のシーンはが個人的にお気に入りです。百目のシーンは時代劇調で、サニーが玉ねぎをぶんぶん振り回しているのも面白くて。初号試写を見終わった後、すぐに山崎監督のところに駆けつけて、百目のシーンが面白かったですって伝えたほど大好きです。あ、でも、百目だけでなく、僕はいろいろなおばけに突進していくので、楽しみながら見ていただきたいです(笑)」
「新垣さんは本当に優しい方でアドバイスもたくさんしていただきました。撮影でNGを出してしまったときに『すみません』『ごめんなさい』って、僕が言っていることを新垣さんは気づいて『楓雅』って呼んでくださって、『そういうときはごめんなさい、すみませんではなく、ありがとうございますとかもう一度お願いしますって伝えた方が、周りの人たちは自分たちも頑張ろうと思ってくれるよ』って言ってくださって。この言葉は今でも大切にしていますし、これからずっと僕の心に残っていくと思います」
「『映画と同じようになっちゃったよ』と言いながら、桧吏くん、サニー、文香ちゃんにとりあえず連絡をしますね(笑)。お願いごとは、子どもたち4人と新垣さんの5人でまた共演をして、一緒に冒険をしたいと伝えます。それぐらい最高に楽しかったですし、思い出深い作品です」
Writing:杉嶋未来
MOVIE
7月22日(金)公開
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