「3家族ともすごく辛いシーンがあるので、初めて台本を読んだ時は胸がすごく苦しくなってしまったのですが、台本に書かれていることを読み込んで、僕が演じる‟石橋優くん“の心情を深く知ろうと思いました。僕が演じた優くんは、勉強もできて、両親に対しても優しく素直な一面がありながら、実は心の中に別の一面も隠し持っている二面性のある役柄だったので、普段より声のトーンも低くして、落ち着きのある喋り方にするように心がけました」
「お母さん役の尾野さんとは毎日現場で一緒だったので、たくさんお話させていただきました。とあるシーンの撮影の合間に、尾野さんが『100点のお芝居をする俳優さんはこの世にいないんだよ』『でも今のお芝居は98点だったよ!』って褒めてくださったのがすごく嬉しくて。お父さん役の大東さんは、劇中に登場する『バーベキューや釣りを楽しむ家族写真』のスチール撮影の合間も、全力で遊びながらいろいろなお話をしてくださったのですが、僕も大東さんもアニメの『ワンピース』が大好きなことが分かって、その話題ですごく盛り上がりました。おばあちゃん役を演じた真行寺さんとは、劇中ちょっと辛いシーンがあるのですが、『思い切りやっていいよ』と言ってくださったので、すごくありがたかったです」
「僕にとっては優の感情がもっとも揺れ動く最後の雨のシーンのお芝居が一番難しかったのですが、監督が『硬くなりすぎているから、もっと自然な感情に任せろ!』と声をかけてくださったり、尾野さんも『私についてきて!』と言ってくださったりしたこともあって、すごく心強かったです。撮影中は緊張感のある場面の連続だったのですが、これまで僕が演じてきたなかでは、一番自然なお芝居をすることが出来たんじゃないかなと思っています」
「尾野さんが『私も昔は何度も同じような役をやっていたよ』とお話してくださったので、『これも自分のお芝居の強みにしていけたら』と思えるようになりました。『明日の食卓』という作品で尾野さんや“石橋優”という役柄に出会えたのも、運命だなって思っています」
「映画の後半に優の父親である大東さんに真行寺さんが寄り添うシーンがあるのですが、僕はその場面がこの映画の中で一番好きなんです。もちろん事前に台本を読んでいたのでどんな場面なのかは知っていましたし、僕も実際にその撮影現場にいたのですが、いざ完成した映画を観てみたらお二人の演技の迫力が本当にすごすぎて、涙が止まりませんでした」
「小さい頃、生田斗真さんと小栗旬さんがダブル主演されていた『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』というドラマに夢中になったのがきっかけで、『僕もお芝居をやってみたい!』と興味を持つようになりました。10歳の時にスカウトされて事務所に入って、今年の4月に13歳になったばかりなので、演技経験はまだ2~3年しかないのですが、いまは演じることがとにかく楽しいです。『るろうに剣心』や『キングダム』といったアクション超大作も大好きで、佐藤健さんや山﨑賢人さんにも憧れます。僕も『いつかアクション映画に携わってみたい』という思いもあるんです。ゆくゆくはどんな役柄でも演じられる俳優さんを目指して、学校の勉強と両立させながら、これからもお芝居を続けていきたいです」
「今年3月に小学校を卒業するときに、友だちや先生が『映画、必ず観に行くよ!』って言ってくれました。『明日の食卓』は観ていて辛いシーンもありますが、それぞれの家族の光が見えてくる映画だと思うので、それが皆様に伝わればすごく嬉しいです。多くの方に観ていただけることが僕にとって、何よりも励みになっています。ぜひ劇場でご覧ください」
Writing:渡邊玲子
MOVIE
5月28日(金)公開
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