「麻由香の気持ちを作ることはもちろん大変だったのですが、それ以前に映画撮影が初めてだったので、緊張しましたね。撮影前に本読みというのがあるのですが、その段階から思うようにいかなくて。廣木隆一監督が、全体の本読みの後に私のために時間を作って下さったんです。麻由香にとって重要な泣くシーンを繰り返し読み込みました。監督は『そうじゃない』とか『こう表現してみて』ということはおっしゃらず、『もう1回やってみて』と言うだけなんです。もちろん、いい瞬間があれば『今の感じを覚えておいて』とおっしゃってくれるんですけど……。監督は自分がアドバイスをしても役者自身が納得しなければリアルな感情は生まれないと思っていたようで、私がその感情をつかむまで粘り強く引き出して下さいました。それでも、いざ本番となるとダメでしたね。考えすぎないように、シンプルに麻由香の気持ちになろうとするのですが、思うように感情が到達しなくて時間がかかってしまいました」
「出演が決まってから原作のマンガを全巻揃えて、読み込みました。自分の中に麻由香をしみこませようと思って。その時に役立ったのがHYの『NAO』という曲。麻由香の気持ちを表わしているような歌詞で、その曲を聴きながら台本を読んだりしていました。撮影前に『NAO』を聴くことで麻由香の気持ちがふわっと自分の中に降りてくるような感覚にもなりました。とても切ない曲で、家で聴きながらよく泣いていました。それなのに、本番ではなかなか泣けなくて……。本当に、泣くシーンは難しかったですね」
「仁菜子が蓮のことを想っていることを知っても、そこで『近づかないで』と言うわけでもないし、何か行動に出ることもない。蓮の気持ちが仁菜子に向けられはじめていることに気づいても責めることはしないんですよね。それどころか別れを切り出すなんて……。自分が麻由香の立場だったら、仁菜子に負けないように頑張っただろうし、必死に引き留めようとするかも。麻由香が別れを決断できたのは、蓮のおかげなんですよね。そこがまた切ないのですが、蓮が今まで支えてくれたから強くなれたし、モデルの仕事も頑張ってこれた。蓮と過ごしてきた月日が麻由香を成長させ、身を引く決心ができたのかなって思っています。ただ、完成した作品を観たときに、蓮と仁菜子に嫉妬しましたね。私が見ていないところでそんなことしてたの!!って(笑)」
「みんなの想いが複雑にからまって、とても切ないんですよね。あの花火はCGではなく、長岡の花火大会の日に撮影したもの。蓮、仁菜子、麻由香、仁菜子のことを想っている安堂。きっと誰かに自分を重ねながら観ていただけるんじゃないかなと思います。片想いはつらいけれど、高校生のときにこんな恋愛ができたらいいなーって思えるキラキラした物語なんです。本気で誰かを好きになって泣いて怒って……。うらやましいなって素直に思いました。私の恋愛観ですか? そうですね……映画の中でもあるのですが、季節の匂いを感じとれるとか、同じ感覚を持った人が理想です」
「撮影中は悩んだり、考えたりすることのほうが多かったけれど、完成した作品を観て素直に嬉しくて感動したんです。これから公開になり、みなさんに作品が届いてからが本番。どんな反応が返ってくるか楽しみです。この作品を通じて、お芝居は難しいけれどやりがいのあるものだと感じました。役作りをしながら、麻由香との共通点である“モデル”という仕事に改めて向き合う時間もできましたし、いい経験となりました。麻由香は感情をあまり表に出さない役だったので、いつか喜怒哀楽のある役をやってみたいですね」
「日頃のお手入れももちろん大切ですけど、毎日いっぱい笑うことが一番! 寝る前に、その日にあった楽しかったこと、ハッピーだったことを思い浮かべるんです。ランチで食べた○○がおいしかったな~とか些細なことでいいんです。笑顔で1日を締めくくりたいなって思うんです。『ストロボ・エッジ』も観た後にきっと幸せな気持ちになれると思うので、ぜひ映画館でチェックしてください!」
Writing:岩淵美樹
MOVIE
3月14日より全国公開
累計580万部突破の大人気純愛少女コミックを実写化。タイトルは恋する気持ちをあらわした造語。学校イチの人気者・一ノ瀬蓮(福士蒼汰)に彼女がいることを知っても、一途に想い続ける木下仁菜子(有村架純)。ただ想いを伝えたくて告白するも撃沈。しかし、徐々にふたりの距離は縮まっていくが……。佐藤は蓮の年上の彼女・麻由香を演じている。pagetop
page top