田中雅功「彪我さんは音感がすごい。僕が全然ハモが分からないときも、すぐハモをつけちゃったり。音楽的な才能に長けています」
髙田彪我「ちょっと照れますね(笑)」
田中「あとこう見えてすっごい食べます。前までは僕のほうが身長高かったのに、いつのまにか彪我さんのほうが大きくなっていた」
髙田「雅功さんは見た通りイケメンで……」
田中「ププッ。そんなこと言ったら彪我さんもですよ(笑)」
髙田「僕なんて全然です。まぁそれは置いておいて……雅功さんはしっかりとしている面もあって、でもたまにおっちょこちょいで、色んな人と仲良くなれる。全然人見知りしないから羨ましいです」
田中「確かに人見知りは全然しないかも」
髙田「僕は人見知りするから。初めて会った人ともすぐに打ち解けられるし、そこは尊敬しますね」
田中「彪我はとにかく元気のいい男の子って感じに思っていたんだけど、いざ組んでみるとすごくおっとりしていた。どちらかと言えば女の子みたいな……」
髙田「ええ~!?」
田中「イメージ変わりましたね」
髙田「雅功さんも……すごくしっかりしているイメージだったけど、一緒に練習したりするにつれて、だんだん自分と似てるところがあるなって。意外とおっとりしているところとか。すごく居心地がいいんです」
田中「ずっと無言でも大丈夫な感じ。ケンカもほとんどないよなぁ……」
髙田「お互い怒ることもないし」
田中「音楽のことで行き違いがあってもどちらかが絶対に引きますね。断固としてっていうのはあまりない」
髙田「じゃあこっちにしようかっていって丸く収まる」
田中「お互いのことも無意識で「ひょーが」って呼んでみたり、彪我さんって呼んでみたり」
髙田「最初は敬語で始まって、話していくうちにどんどんくだけていって、でも最後は敬語で終わる(笑)」
田中「最後絶対「そうですね」で終わる」
髙田「あと雅功さんは本当にバンド好きだよね」
田中「そうだね。小学5年くらいだったかなぁ……車でラジオを聴いてたんですよ。そこで突然クリープハイプさんの曲が流れてきて。それまで音楽が流れても右から左だったんですけど、その曲は衝撃的にカッコイイと思って。そこから音楽への興味が湧いてきました。自分で楽器を弾いてみたいとか歌ってみたいとか、それから思うようになってバンドが好きになりました。彪我さんが影響を受けたのは、あれだよね」
髙田「元々お父さんがギターを弾いていたっていうのもあるけど、自分でコレ弾いてみたいなと思った曲は……どぶろっくさんの『もしかしてだけど~』」
田中「そっち側からきた(笑)。でもあの曲カッコイイんだよね」
髙田「そう、コード進行とかカッコイイの。あれを弾きたいと思った自分がいて、いつのまにか弾いてました。二人は音楽の入り口はホント真逆ですね」
田中「でも最近彪我さん、バンドの曲を聴くようになったよね」
髙田「そう! 結構雅功さんに「この曲いいよ」とかススメられてたんだけど、前は全然「あ、そうなんだ……」って流してたんですよ」
田中「流されてたんですよ(笑)」
髙田「それこそ右から左に(笑)。でも最近になってクリープハイプを聴いてみようと思って、実際聴いたらギターのフレーズがまずカッコよくて。それから色んなバンドを少しずつ聴くようになりました」
田中「音楽を始めてからは、今まで普通に聴いていた曲のコード進行とか歌い方とかフレーズとかそういう部分的なものにも引っかかるようになるのが面白いよね。ただイチファンとして聴いてるときもあるけど」
田中「歌えば歌うほど、聴けば聴くほど好きになる曲だと思っています」
髙田「特にサビの「ドキドキドキ」は何度も聴きたくなる」
田中「歌詞のひとつひとつに意味があって、フックがあるというか。ポップな曲調でポップに歌ってますけど、実はすごく深い曲だなと思います。この曲で一番大事なところというか、主となる部分はサビの「まぁいっか」だと思うんですよ。本当に好きなんですよ、この女の子のことが。好きで好きでしょうがない、伝えようと思って、高まって、熱くなっていく気持ちを最後の最後に「まぁ、いっか」で一気に柔らかくしてくれる。一言でそんなことができるってすごいなって思う。だから「まぁいっか」でフワっとできるように、その前と後もちゃんと心を込めて歌うように心がけています」
髙田「「ドキドキドキ」と「まぁいっか」の対比がすごい」
田中「「いつか君に届けたい」んだけど、この歌の中ではまだ届けられないんですよ。でもいつか届けたい、空を見上げるような終わり方をしているのも、この後どうなるんだろうって想像させるような感じです」
髙田「PVも「え~どうなっちゃうの~!?」ってなりますよね」
田中「『こえ恋』ヒロインの永野芽郁さんにも出ていただけて、嬉しかったです。「ひだりむね」の世界って、男の子の気持ちだけじゃないんですよ。告白されるのかな……ってドキドキしてる女の子の気持ちもPVにすごく表れていて。本当に誰が見ても共感できるんじゃないかなって思います」
髙田「この曲自体が色んな目線で見れますよね。男の子も女の子も、それこそ大人の人も。そうそうPV撮影のとき撮りなおしたシーンがあったじゃないですか? 体育館を歩くところなんだけど、そこがね……僕が不器用すぎるというか、もう本当に歩き方がおかしくなっちゃって」
田中「彪我さんヒョコヒョコしてた(笑)」
髙田「ただ歩くだけなのにね。演じるって難しい~って。自然にしようと思うとより不自然になる(笑)」
田中「スターダストの他のユニットのライブとかを見ても、すごいちゃんとしてるんですよね」
髙田「(笑)」
田中「ちゃんとしてるっていう言い方も変ですけど、きっちりしてるししっかりしてるし、すごいライブもたくさんやっているんですけど、僕たちは全く違っていて。本当にゆったりしてる。トークも何もかも」
髙田「他のユニットにはない変な間があったりね(笑)」
田中「でもそこがまたさくらしめじらしさなのかなと思っています。他のユニットを見てちょっと焦っちゃうときもあって、僕たちもこんな感じにならなきゃいけないんじゃないかと思うときもあるんですけど、そうしちゃうと自分たちらしさが無くなってしまうような気もして。言い訳みたいに聞こえちゃうけど。でも今はそれでいいのかなって思っています。他のアーティストさんのマネをしたりすることもあったけど」
髙田「でもやっぱり空回りしちゃう」
田中「僕たちがマネしている人たちの世界は、その人たちが作り上げたものじゃないですか。だから僕たちがそれをマネしたところで、全然違うものなんですよ。それはやっているうちに気づいて。じゃあ僕たちもイチから世界を作り上げようと」
髙田「だからこそ僕らは「歌詞」を大切にしたいと思う。なんか、優しく語りかけるような。あんまりそういうグループってないと思うから」
田中「そうだね、背中を押すというよりは横にいて「うんうん」って話を聞いているみたいな」
髙田「そっと支えているみたいな感じ」
田中「すごい女々しいですけど(笑)」
髙田「でもあのPVでのさくらしめじはまさにそうだよね。二人のそばにそっとよりそって、歌っている」
田中「他に何をするわけでもなく」
髙田「僕たち大宮からストリートライブを始めたんですけど、同じ埼玉県のさいたまスーパーアリーナでワンマンをするのが目標なんです」
田中「それだけ多くの人たちに知ってもらいたいし、恋をしていてもしていなくても、いいと思ってくれるような歌をうたっていきたい。僕たちも恋とか全然経験なくて「なんで恋の歌が歌えるの?」ってよく聞かれるんですよ。でも「ひだりむね」の「ま、いっか」だったら「宿題明日までか……でもこれあと数時間でできる量でもないな……ま、いっか」みたいな、日常にはそういうことがたくさん転がっていると思うんです」
髙田「僕らの歌って「がんばれがんばれ」っていうものではないよね(笑)。いつも頑張ってても、疲れちゃうし。「たまには休んでいいじゃん?」って。そういう音楽かもしれないですね」
田中「路上でライブをしていると、もちろん見向きもしないで歩いていく人もいますし。その瞬間に僕は「絶対にこの人たちにも僕らの歌が届けられるようにがんばろう」って思うんですよ。そしてさくらしめじを聴いた人たちが「ゆったり、まったり、のんびり」した気持ちになってくれたらって思ってます」
Writing:西澤千央
SINGLE
8月17日(水)リリース
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