「10周年なのか、というくらいにしか思っていなくて(笑)。それでも自分の中では、漠然としていましたが、年齢的なことも考えて、何か自分を形に残したいという思いはありました。そのタイミングで写真集を提案していただき、“その発想はなかった、コレだ! ぜひお願いします”と企画がスタートしました」
「コンセプトを始め、どういった内容の写真集にしたいのか、丁寧に私の意見を聞いてくださり、タイトルからロケ地、衣装、写真のイメージなども含めて、すべて私が作りたかったものになっています」
「幼少期からよく描いていた花が白百合でした。今回の撮影場所の一つでもある祖父母の家でも、よくチラシの裏に白百合を描いていたそうです。どこかで見て好きになった花で、それが白百合だと知ったのは少し大きくなってからでした。思い出と好きな花とすべてがリンクして、写真集のタイトルにピッタリだと思いました。ただ、“白百合”だと、なんだかピンとこなくて……。そんなときに、ふとフランス語ではなんていうのかなと思って調べてみると“Lis blanc”と出てきたんです。柔らかくて素敵な響きがすごくしっくりきたので、提案したら満場一致で決まりました。フランスは、また行きたいと思っているお気に入りの国の一つなので、そんな“好き”の気持ちも込められています」
「せっかく一冊を通して贅沢に写真が撮れるなら、ストーリー性のあるものがいいよね、という話をしていました。綺麗な写真だけを集めたものではなく、物語を感じられる一冊にしたいという思いがありました。アンディさんは、お茶目な少年という感じで、本当に可愛らしい方。ディレクションが独特で、言葉のチョイスもおもしろくて、いつも笑いが起きて幸せな空間になるんです。和気藹々としながら流れるように撮影をする、そんな雰囲気で撮影できたのは彼のおかげです」
「初めて行った場所だと、どうしても緊張してしまうのですが、慣れ親しんだ場所なら肩肘張らずにいられるので、本当にナチュラルな表情に限りなく近いものが撮影できたと思います。すごく久しぶりな場所だとしても懐かしい気持ちになって、いい表情が出たと思います。湯布院の温泉は、子供の頃から家族みんなで行っていた思い出の場所です。今回撮影した『山のホテル 夢想園』は、大人になってから行った場所なのですがロケーションがとにかく綺麗なので、ダメ元で提案したらOKをいただけて。提案した撮影場所はすべて採用されて、本当にありがたい限りでした」
「自分を振り返るだけでなく、何かをしているときの自分の顔、姿を切り取りたかったんです。異性といるとき、友達といるとき、家族といるとき、1人でいるときの自分を見せられたらいいなという思いがありました。見てくださった方が“こんな顔するんだ”と感じてくれたら一番うれしいです」
「スタイリストの方と、コンセプトやイメージを入念にお話する機会をいただくことができました。打ち合わせ後には、メールなどでもやり取りをしながら相談して決めていきました。最終的に用意していただいた衣装を見たとき“そうそう、そういうこと”って思わず言ってしまったくらい、イメージ通りでした。特に祖父母の家での衣装はとても気に入っています」
「私、帰ってきているんだっけ? 仕事しているんだっけ? と脳内バグを起こしているような感覚でした(笑)。なんか“くすぐったい”感じもありつつ、こんな経験ができるのも最初で最後かもしれないなと考えながら撮影していました。私という人間が形成される時期に暮らしていた場所に帰った自分の感情、表情を写真に収めてもらえるのはとても貴重。不思議な感覚もあったけれど、うれしさも感じる時間でした」
「湯の坪街道”は祖父母と電車で遊びに行った思い出の場所です。食べ歩きを楽しむ場所なのですが、子供の頃は何を食べるか、何を買ってもらうかすごく悩んだけれど、撮影ということもあって、贅沢にいろいろ食べさせてもらい、“私、大人になったな”と思いました(笑)」
「1回だけ、撮影時に雨が降ってしまったんです。予定とは違ったけれど雨と傘に助けられ、結果的にすごくいい雰囲気の写真が撮れたので、このチームはアクシデントすらいい方向に向かうんだと実感しました」
「自分で写真を撮る! カメラにハマっていた時期もあったのですが、最近はまったくやっていなく、今回たくさん自分を撮っていただいたので、今度は自分で誰かを撮ってみたいです」
Writing:タナカシノブ/Photo:白石愛/Styling:李靖華/Hair&Make-up:岡田知子(TRON)
<衣装>
アクセサリー ¥28,600(税込)/ bohem
その他スタイリスト私物
<問い合わせ先>
bohem
okano@bohem.jp
BOOK
12月22日(水)発売
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