「私自身、トーンが落ち着いている作品だったり、役のえぐみが強い作品への出演が多かったりもしたので、こういった作品のオファーを頂けるのはなかなかないなと思いました。さらに、恋の相手が年下の男性という事で。年下の男性とラブラブするんだ~って思いました(笑)」
「台本を読んだとき、まずテンポの良さが第一印象としてありました。全てのキャラクターがしっかりと生きていて、希恵、健太を始め、一人一人がどういう生活を送っているのかがしっかりイメージできて。キャラクターの描きかたがすごく魅力的でした。希恵をどう演じていくかなども、自分で構築するということはあまりせず、現場の雰囲気と黒羽さんとのお芝居に委ねようと思えました」
「希恵に関しては、不器用ながらもとても愛らしいキャラクターだなと思いました。気が強い部分もあるんですけど、誰よりも繊細で。年下である健太といることで様々な事が感化され、本来の自分を取り戻していく過程がとても可愛らしいんです。自分と共通するところがあるか? そうですね…初めての人と接するとき、膜があるというか。壁があるわけではないんですけど、一つ、自分を強く見せようとするところは共通点としてあるかもしれません」
「冒頭のシーンなどは、とにかくテンションが一つ上にある状態だと監督とお話をさせて頂きました。日常ではなかなかない温度を常に高くして健太との会話を維持させないといけないのは大変でしたね。でも、そのテンションが故に起こったハプニングに近い出来事も、黒羽さんがしっかり受けてくだったり、初日の現場でかなり雰囲気を掴む事が出来ました」
「撮影1日目、冒頭に撮ったシーンが希恵が健太の家に怒鳴り込んでいくシーンだったんですけど、お芝居の入り口として、リミットを外して撮影に入れたのが大きかったです。これまでわりと喜怒哀楽を抑えたお芝居が多かったんですけど、今回は喜怒哀楽が明確で、真っ直ぐに自分の気持ちを相手に伝える日々がとても新鮮で楽しかったです」
「最初、黒羽さんは、私の目を見て話してくれなかったんです。のちのち話すようになってその理由を聞けたのですが、私のことが怖かったそうです(笑)セリフを噛んだら怒られるんじゃないかとか、何かやらかしたら機嫌が悪くなるんじゃないかってビクビクしていたみたいです。全くそんな事無いんですけどね。黒羽さんご自身は、とても真っ直ぐな方で。監督が黒羽さんに対して演出をされた時も、機転が速く、求められているものを一生懸命やろうという姿勢がすごく素敵だと思いました。繊細な方だという印象もあったんですけど、しっかりされている部分もあり、とても素敵な方だな思いました」
「ありましたね。撮影のセットの部屋の中にグリーンがたくさんあって、観葉植物についていろいろお話しているときに、私も観葉植物が好きで家にあると話したら、黒羽さんがどこかいいお店を知りませんかって。それをきっかけに話すようになりました。おすすめのお店を2、3店紹介して、実際撮影中に買ってらっしゃいましたね。それ以降話せるようになったので良かったです(笑)」
「撮影に入る前は、絶妙な距離感などどうしようかと思っていた部分もあるんですけど、実際セットに入って黒羽さんとお芝居をしていくうちに、考えることはなくなりました。黒羽さんがもともとお持ちの雰囲気なのか、健太としてそれを出されたのかはちょっとわからないんですけど、妙に落ち着いているところもあって、大人びているというと安易な言葉になってしまうんですけど、すごくどっしりされているところもあって。希恵に対して優しい言葉だったり、甘めのセリフをかけられたとしても、チープにならないんですよね。希恵が健太に対して甘えるような仕草をするシーンもあったんですけど、私がよいしょ!と気持ちをあげなくても、自然にそう出来る空気がありました」
「お互いの距離がグッと近づくキスシーンは、お芝居としても純度の高いシーンでしたし、大事なシーンでもあったので印象的です。あとはスケジュールがタイトだったっていうのが逆に良かったんじゃないかと、今は思っています。現場の近くに泊まらせてもらって、朝から晩までセットで撮って、という生活で、セットの中で生活をしているような感覚にもなりましたし、あのタイトなスケジュールだったから生まれたシーンもあるんだろうなっていうのもあり、すごくありがたいなと思っています」
「とても素敵な時間でした!歳を重ねる魅力もありますが、20代の方ならではの、迷いのない真っ直ぐさはやはり魅力的ですよね。計算して醸し出せるものではないので。こういう恋愛もありなのかなってすごく思いました」
「最初に台本を読んだときはリアルに想像ができなかったんですけど、実際演じてみて、健太みたいな男性を魅力的だと思いますし、恋愛に年齢って関係ないんだなって感じました。悪い人ではないんですけど、旦那さんはちょっと頼りないんですよね(笑)だから私は健太派です!」
「作品の内容としても、私ぐらいの年齢の方はもちろん、これから30代を迎える20代の方にも共感してもらえると思います。30代は恋愛とか結婚に構えが出てくる年頃だと思うんですけど、一度そういうものは外して、自分の気持ちに正直になって、まっすぐな気持ちで、恋愛や結婚に向き合ってみようかなって思ってもらえる作品だと思います。30代の私自身も自由になった部分があるので、全編を通して、そういった部分を堪能してもらえたら嬉しいです。ぐっとくるセリフも多いんです。ポップで楽しいやりとりの中に、大切な言葉がたくさん出てくるんですけど、私はその塩梅がすごく素敵だなと思っていて。肩肘張らず楽に見てもらえる中で、ほっと柔らかな気持ちになってもらえたら嬉しいです」
Writing:杉嶋未来
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