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シリーズ累計200万部を超える大人気の推理小説シリーズ同名小説を、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』などで知られる河合勇人監督が実写映画化した「都会(まち)のトム&ソーヤ」が7月30日から全国公開される。主人公・内藤内人の相棒で、学校一の秀才にして御曹司の竜王創也を演じる酒井大地に、撮影の舞台裏や本作の見どころについて語ってもらった。

いつか自分の演技で観た人たちを泣かせたり、ワクワクさせたりできる俳優になれたら嬉しいです

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―― 2019年に開催された「スターダストプロモーション 第1回 スター☆オーディション」で男子グランプリを射止め、本作が映画デビューとなる酒井大地。受賞時は中学2年生・13歳だった酒井も、今年4月に高校に進学。15歳になり、顔つきもグッと大人っぽくなった。

「高校に入ってから出会った友だちが携帯で僕のことを調べてくれたみたいで、『あれ? 顔が全然違う!』って結構言われます(笑)」

―― 「都会のトム&ソーヤ」は、自称“平凡”だが、実は類い稀なサバイバル能力を持つ内藤内人(城桧吏)と、果てしない夢を抱く大企業の御曹司・竜王創也による凸凹中学生コンビが、“最強のゲームクリエイター”を目指して「都会(まち)」を舞台に冒険に繰り出し、友情を育む物語。グランプリの副賞として本作への出演権を手にした酒井。どのような準備をして、初の映画撮影に臨んだのだろうか。

「グランプリをいただいた次の日、学校の昼休みに図書室に行って原作シリーズを借りて読みました。内人役は城桧吏くんにもともと決まっていたので、僕は『お調子者の達夫役かなぁ?』それとも『健一役かなぁ?』。『いや、もしかしたら創也役かなぁ』『でもまさか、僕が創也なわけないよなぁ……?』って思っていたら、しばらくして『創也役に決まったよ』とマネージャーさんから報告を受けて、改めて本をじっくり読みかえして、創也がどんな人物なのか探っていきました。僕は演技をしたこともなければ、映画に出演するのも初めてで、何もかも初めてづくしで右も左もわからない状態でした。しかも僕は創也と違って御曹司でも秀才でもないし(笑)、性格もむしろ正反対なので、演じるのは本当に難しかったです」

―― 酒井のキャッチコピーは「癒し系笑顔王子」。だが、本作では学校始まって以来の秀才で、巨大な竜王グループの後継者である竜王創也役を演じるにあたり、酒井は笑顔を一切封印。メガネをかけて「容姿端麗」「頭脳明晰」の創也に成り切った。

「オーディションに合格したメンバーと演技レッスンを受けながら本読みをしたりして、リハーサルもたくさん繰り返しました。クランクインの3日前に河合監督とマンツーマンでお話する機会があったのですが、『初めてだから緊張していると思うけど、レッスンでやってきたことを生かせば絶対に大地ならできるから、自信を持って頑張って!』と、とても温かい言葉をかけていただきました」

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―― 事前に準備を重ねたとはいえ、初めて撮影現場に足を踏み入れた時はどんな気分だったのだろうか。

「正直クランクインの日のことは、緊張しすぎて覚えてなくて……(笑)。リハーサルとは全く違う雰囲気に圧倒されました。現場のスタッフさんたちの人数の多さやカメラの大きさにも驚きましたし、音声さんの長いマイクを見るのも始めてで。『うわぁ! 映画の撮影現場ってこんな感じなんだ~!』って。社会科見学のような気分でした(笑)。撮影の合間は内人役の桧吏くんとずっと一緒にいて、いろんな話をしてたんです。桧吏くんのおかげで早く現場に馴染めたのかなって思います。それこそ最初のころは『(撮影が)押してる』とか『巻いてる』とか、現場で飛び交う専門用語もまったく理解できなくて、毎回桧吏くんに『今のどんな意味?』って聞いてましたね。僕は以前は福井に住んでいたからなまりが抜けなかったり台詞が早口になってしまったりして、現場では皆さんにたくさん迷惑をかけてしまったと思います。創也の謎解きにも『フィボナッチ数列』など、初めて使う言葉ばかり出てきたので、覚えるのが難しかったです」

―― 創也たちの前に立ちはだかる、世界的に有名な正体不明のゲームクリエイター集団「栗井栄太」のメンバーには、市原隼人、本田翼、森崎ウィン、玉井詩織というスターダストの先輩たちが勢揃いし、それぞれの役柄をミステリアスかつ、カリスマティックに演じている。

「『栗井栄太』の皆さんが現場にいらっしゃったとき、皆さんのオーラで現場の空気が一気に明るくなったのがはっきり分かりました。普段テレビや映画で観ている皆さんが実際に目の前にいらっしゃって、こうして同じ場所に立てていることに感謝しないといけないなって、改めて思わされました。本番が始まる前に市原さんに『失敗したらすみません』とお伝えしたら『全然大丈夫だよ』って言っていただいて。すごく励みになりました」

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―― 創也のボディーガード兼お目付け役である二階堂を演じた中川大志を前にした際には、思わず心の声が漏れたそう。

「僕がまず最初に思ったのは『イケメン!』ってことでした(笑)。オープンカーに乗っている役なのですが、すごくマッチしていて素敵だなと思いました」

―― 「究極のゲーム作り」を目指す創也の秘密基地「砦(とりで)」の美術は、子どもたちのみならず、大人ですら自然とワクワクさせられるほどのこだわりが随所に感じられる。

「スタジオ内に作り込まれた『砦』に入った瞬間、ゲームセンターにあるようなマシーンやロボットなど、本当に秘密基地と見間違えるようなセットがあって、自分には絶対に作れない世界が生み出せる美術スタッフさんって、本当にすごいと思いました。砦の中にはキッチンもあって、ダージリンティーとかジャスミンティーとか、30種類くらいの紅茶がズラリと置いてあるんです。創也役を演じる上では、美術セットにも大いに助けられました」

―― 映画の骨格を成すリアルロールプレイングゲーム『エリアZ』 の謎を監修しているのは、「リアル脱出ゲーム」で一世を風靡し、近年では国内最大となる‟謎”をテーマとしたテーマパーク「東京ミステリーサーカス」を展開する超人気集団SCRAPだ。

「リアル脱出ゲームは、小さい頃に一度だけやって、とてもワクワクした記憶があります。でもこんな大掛かりな脱出ゲームはもちろん初めてで、『エリアZ』の謎を作っているSCRAPさんはものすごく頭が良い人たちなんだろうなと思いました。役柄の創也としてだけでなく、僕自身も実際にゲームを体験しているような気持ちになりました」

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―― 最終的にCGも施されて完成した映画を観た時、どう感じたのだろうか?

「大きなスクリーンで見せていただいたんですが、最初は凸凹だった内人と創也の関係が、後半になるにつれてだんだん平べったくなっていくところが僕は好きでした。内人と、豊嶋花ちゃん演じる美晴と、創也の三角関係の青春感も、見どころの一つになっていると思います。でも、正直なところ1回目は自分の演技が気になって、創也のことばかり見てしまいました(笑)。僕のお芝を自己採点するとしたら、多分40点くらい……。もう一回ぐらい観ないと全体の印象は分からない気がします。現場ではグリーンバックで『ここを見て』『今度はこっちを見て!』といったように、監督やスタッフさんから言われるままあまりよくわからずにお芝居していた部分もあるんです。でも、いざCGが完成してみると現場で監督から指示していただいた理由が初めて理解できて、僕の中ではそこでやっと『すべての謎が解けた!』という感じでした(笑)」

―― 最後に『マチトム』を通じて「お芝居が大好きになりました」という酒井に、憧れている俳優についても訊いてみた。

「作品によって全然違う表情が出せる、お芝居のレパートリーが抱負な綾野剛さんに憧れます。僕もいつか綾野さんのようにいろいろな役を演じて、自分の演技で観た人たちを泣かせたり、ワクワクさせたりできるような俳優になれたら嬉しいです」


Writing:渡邊玲子

インフォメーション

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(C)2021マチトム製作委員会

MOVIE

『都会のトム&ソーヤ』

7月30日(金)劇場公開
7月16日(金)ABEMAにてドラマ(全8話)放送スタート


はやみねかおる氏の大人気推理小説「都会(まち)のトム&ソーヤ」シリーズが原作。平凡な中学生・内藤内人は、転校早々、大企業の御曹司・竜王創也に巻き込まれ、街中を舞台にしたリアルRPG「エリアZ」にクラスメイトの堀越美晴とともに参加することに。閉ざされたエリアのどこかにあるヒントを元に謎を解き、制限時間内に街を救うことができるのか……。

▼公式サイト
https://machitom.jp/



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