「2年前ぐらいから何曲か自分の曲はあって、クラブイベントなんかで流してたんです。ただ、歌に関しては“修行”という気持ちが強かったし、アルバムを出そうなんて思っていなかった。でも、シライシ紗トリさんがサウンドプロデュースしてくれる話になって、徐々に形になっていって。」
「今年の2~3月ぐらいです。シライシさんと一緒にスタジオに入り始めて。」
「先ほども少し言ったんですけど、僕にとってはソロで歌を歌うこと自体が修行の場。その中で、「出来る人になるためには」ということがソロ活動のひとつのテーマだったんです。「出」「来」る「人」って書いて、「デライト」。それだとちょっと締まらないかなあとDJ KEINと色々話をしていて、「DELIGHT」ってどうだろう?と。“いろんな人が祝福してくれる”みたいな意味もあるらしいし、じゃあそれだ!って。」
「そうですね。今回のアルバムには、古くからの友人がたくさん関わってくれているんです。ジャケットを書いてくれたKento Yukizakiは、「DRIVE」に参加してくれてるN.O.B.U!!!がいたバンドで、ギターを弾いてたヤツなんですよ。今はグラフィックをやるようになっていて。」
「MV「夏だぜジョニー」の後ろで踊ってるキッズダンサーも、知り合いが教えてる生徒たち。同級生の子供たちがアクターズからストリートに移って、教室を立ち上げたんですよね。そうやって腐らずにやってきた仲間たちがたくさん参加してくれていて、本当に感謝しています。」
「作っている時はテンションも上がるから全然大丈夫なんですけど、作ったあとが大変。ORANGE RANGEはツアーが始まるし、ソロではリリースパーティもあるから……。」
「一番最初に考えてたのが、「曲を知らない人をどう盛り上げるか」だったんです。例えば「夏だぜジョニー」なんて、すごくわかりやすい曲ですよね。そういうことを考えながら作ったので、知らない人でも通して聴けて、楽しめるアルバムになっていると思います。」
「この曲が出来たのはいちばん最後です。もともとは歌を入れる予定はなかったんですけど、音を聴いてたらやっぱり入れたくなって。でも導入の曲なので、全体的にちょっと短めです。」
「本当は自分で喋る予定だったんですけど、何を言っているかわからないぐらいの言葉のほうがいいよねって。それで、ポルトガル語なんてどうだろう、誰かいないかなって探してたら、シライシさんがジュリアナちゃんと知り合いだったんですよ。」
「「もっと盛り上がろう」みたいな、ごく普通のことなんです。それが普通に聴こえないところがいいのかなって。」
「クラブイベントで自分のひとつ前の人が盛り上がっているときに、それに負けないようなパーティチューンを用意しておきたいなと思っていたんです。いつも次の3曲目の「GLAMOROUS RIDDIM」から始めることが多かったんですけど、けっこう緩い入り方なので、もっと上がる曲を作ろうと。」
「そうですね、変わったのはトラックがバンドになったところです。今までのお客さんは打ち込みに慣れているので驚くかもしれないですけど、これが「DELIGHT」になってからの変化なんだなって思ってもらえたら。いつかライブでも生バンドで演奏したいです。」
「途中からです。曲を書いている途中でお話をいただいたので、歌詞は2番ぐらいからエビ中さんに寄っていっています。想像がバンバン湧いてきて、ちょっと女の子目線で(笑)。」
「ベタな夏の曲、みたいなものを作りたかったんです。今ORANGE RANGEがけっこうひねってくるので、ベタなストレートさがあったほうがいいかなと。」
「エビ中さんの録音を見に行ったんですけど、生バンドの迫力がすごかったんですよ。僕の曲でも、そこで演奏しているメンバーのうち何人かが参加してくれています。」
「彼女とは共通の知り合いが多くて、前からやりましょうって話はしていたんですけど、タイミングがなかったんです。今回やっと実現しました。」
「この曲だけ、ケツメイシさんやFUNKEY MONKEY BABYSさんをプロデュースしているYANAGIMAN(ヤナギマン)さんが参加してくださってるんです。そのへんの違いも味わってみてほしいです。」
「パーティチューンなんで、いつもお客さんをステージにあげたりしてますね。この曲が中盤に入ると盛り上がる。流れに変化をつけられる曲なんです。」
「ISEKIさんとはフェスで会うことはあったんですけど、ガッツリお仕事っていうのは初でした。ただ、フィーリングはすごく合ったと思います。」
「大変でしたねえ。この曲、“大人なエロス”みたいなものを追求して書いたのですが、ISEKIさんって、いつも裸足で歌ってる感じじゃないですか。エロさだったり大人な感じだったりっていうのが、お互い無いんですよ。それを絞り出そう、みたいな(笑)。」
「かかりましたね。あとリリックが大変でした。それぞれ自分のところは自分で、よーいどんで書いたんですけど、何を書いていいのかわからなかったです(笑)。」
「そうです。DJ KEINのトラックで、「Oh Shake it Oh Shake it」っていう部分ではオーディエンスとのレスポンスも楽しめるので、ライブには欠かせない曲になっています。」
「単純に、ライブでお客さんと「Go! Go!」って言いたかっただけっていう(笑)。間のRAPのところなんて、いつも何も決めてないで「Go! Go!」って言わせてRAPして、また「Go! Go!」でラップして……、っていう感じだったんです。」
「そうですね。変わるかもしれないです。」
「そうなんです。自分がバンドを始めるまでの話を綴っているので、そこを意識してもらうと面白いかもしれないです。」
「DJ KEINと出会って、いちばん最初にできた曲です。沖縄のことを歌った歌。もっと南国で、クラブ寄りだったんですけど、シライシさんが音をちょっとアレンジしてくれているので、すっきりしてわかりやすくなっています。収録している音はかなりポップになってます。お客さんにカチャーシーを踊らせたりするんですよ。」
「三線を弾いていただいたのは、嘉手納町の町長さんなんです。DJ KEINが嘉手納に住んでいることもあって、いつも沖縄に帰ったときは嘉手納でレコーディングをしてるんですよね。町長さんはすごく気さくで、普通に夜の呑みにもいらっしゃる方で、ある時三線を弾いていらっしゃるのを見た時に、「僕の曲でも弾いてくれませんか?」って尋ねたら「おー、いいよいいよ」って。ちゃんとクレジットも入っています。」
「でも、沖縄ではそんなに珍しいことでもないんですよ。50~60代ぐらいの方々のうち、半分ぐらいは弾けるんじゃないかな。」
「ハワイと沖縄を合わせてみようよっていう話になって、Kina & Kalaniさんたちがレコーディングに家族を連れてきてくれて、すごくアットホームなところから始まったんです。打ち解けるまで時間かかるかなと思っていたのでが、思ったより早かったですね。大変だったのはハワイ独特の訛りぐらいで。」
「そうですね。南国の共通点があるのかもしれないです。」
「アルバムの中でいちばん象徴的な曲です。今回のアルバムは“いろんな人に助けられている”っていうことがすごく大きなテーマになっていて、歌詞もそういう意味のことを書きました。特に、この曲に参加してくれているN.O.B.U!!!とは13年ぐらいの仲で、当時彼は14歳で、ORANGE RANGEの前座のバンドにドラムとして参加してたんです。でも4年後ぐらいに会ったら歌い手になっていて、一緒のステージに立つことも増えた。」
「N.O.B.U!!!には「ずっと昔から、腐らずに一緒に頑張って来たなあ」っていう気持ちがすごくあって。だから、再会して笑い会える、そういう感じの曲になっています。」
「けっこう後半に書いた曲です。あ、そういえばバラードないや!って(笑)。実は遅れましてのプロポーズです(笑)僕、結婚して7年経つんですけど、プロポーズしてなかったんで……。」
「どうなんだろう、気づいてないみたいです(笑)。」
「「夏だぜジョニー」の演奏をしてくれた人たちが、この曲のトラックでも参加してくれています。今回、シライシさんと一緒に制作をしたんですけど、ふたりともハマっていたのが80年代だとか、ソウルとかファンクだったんです。クラブで流していたときは打ち込みだったんですけど、全体的に生音が増えて、少し大人な雰囲気にまとまった気がします。」
「そう言ってもらえると嬉しいです。この曲で終わって、それが1曲目に繋がるようなイメージになっています。」
「そうですね。引き続き修行ですけど、頑張っていきたいと思っています。」
「ソロで得たものをORANGE RANGEにも還元して、回っていくといいのかなって。そのスタンスは変わらずに続けていきたいと思っています。」
Writing:飯田ネオ
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