「僕は今高3でもうすぐ卒業なんですけど、コロナで学生生活が楽しめなかったので、今回6人でお芝居をしながら学生生活が楽しめることが、実際の学生生活に変わるほど楽しいのかもしれないという期待がありました」
「台本を読んでお芝居をどうしていくかというのはまだわからないので、小説を読む感覚で台本を読んでいます。この作品は、今の時代の高校生ってこういう感じなんだろうなっていう、生々しさ、リアルさを感じました。いわゆる僕たちと同じZ世代と呼ばれる人たちには共感してもらえると思います。僕も高校時代に悩みがなかったわけではないですし、コロナ禍になってからはイベントがほとんどない高校生活を送ったので、そういった部分もドラマの中に表現されていると感じました。と同時に高校生なりに楽しんでいる姿も描かれていて、いいなと思いました。撮影に入ってからは、みんなと芝居をしながら楽しいシーンは本当に楽しくて心から笑っているんですよね。作り笑いなんてしていなくて、本当に楽しかったという印象です。僕たち6人の高校生活が画面に映し出されていたらいいなって思います」
「僕が演じさせてもらった史也は、友達に対して気持ちの表し方が下手なんです。素直に言えばいいのに遠回りな言い方をしてしまって、結果的に傷つけてしまったり。でも今回はそういった自分の役を考えるというより、全体のバランスを意識しました。僕はこれまで1人でお芝居をしたり、2人でお芝居をすることが多かったので、6人という集団でお芝居をすることは初めての経験でした。最初、本読みから入って、自分の役はこうなんだろうなと思いつつ、全体的にバランスをとりながら、この子にはどういう対応をするのか、どういう立ち位置でいくのか。自分の視点で考えるのではなく、客観的に見たときどう見えるかを考えながら、自分の役に向き合っていました。史也との共通点ですか? 写真が好きなところくらいですかね(笑)」
「僕が最初に話したのは杢代くんなんですけど、杢代くんは僕の一つ下だから僕に敬語を使うし、僕は年上の(中川)大輔くんに敬語を使っていたんですけど、楽しい雰囲気の学園ものですし、『敬語をやめてもいいですか?』って監督に聞いたらいいよ、って言ってくださったので、敬語をやめようって提案しました。そうしたら、一気に距離が縮まって、ものすごく仲良くなりました」
「杢代くんは、最初のイメージと違いました。最初は人見知りしていたのか、とても物静かだったんですけど、慣れてきたらよく話すし、素直ないい子ですね(笑)。でも、僕より年1つ下だけど年下に見えない大人っぽい落ち着きもある人です」
「撮影の日、杢代くんと僕のあき時間があって、2人で3時間バドミントンをしました(笑)。寒い日だったんですけど、本気のバトルをしたら、暑くなって汗をかきましたね(笑)。ちょっとふざけたバドミントンをやったんです。持ち方を変えてソフトボールみたいな感じで、実力と言うよりも運要素が強かったんですけど、ラリーが100回ぐらい続いてすごかったです。ほかのみんなとも楽しい思い出がたくさんできました」
「いい経験になりましたし、たくさん勉強させてもらいました。このドラマで5人と出会えて一緒にお芝居ができて幸せです。最近いろいろな方と出会う機会が多くて、そのたびに刺激をもらいます。お芝居は一人ひとり違うもので、その人のお芝居を僕自身が感じて、自分のお芝居を返す。そういうことが楽しくて、この仕事をしている節があるので、今すごく幸せです。昨年、映画を撮りながら、壁にぶち当たっている時期があったんです。デビュー作の『MOTHER マザー』が公開されてから1年経って、褒めてくださる方も多いけれど、このままだと僕も楽しくないですし、見てくださる方々も期待してくださっていると思うので、僕自身のレベルを上げていきたいという思いがありました。でも、何をしたらいいかわからなくて。そんな中、集団のお芝居があるオーディションで人のことを考えず、僕だけの芝居をやってしまったことがあったんです。自分勝手なお芝居をしてしまった反省があるし、集団でのお芝居の難しさを感じて、その印象をずっと引きずったまま、今回6人でのお芝居させてもらうことになりました。最初は同じ高校に通っているとは思えないくらいみんなバラバラだったんです。それは最初ということもあるし、実際同じ高校に通っているわけではないので、もちろんそうなるのも当然のこと。でも、みんなでお芝居を繰り返すうち、それぞれ立ち位置があって、みんなのキャラクターの上に関係性ができていくし、会話のテンポも僕たち6人が普段から話していれば合ってくることを実感しました。僕は普段役作りはあまりしないんですけど、この作品は6人の関係性、バランスを測りながらの役作りをかなりしたと思います」
「高校卒業は、思った以上に節目になりそうだなと思っています。ほんの2年位前まで同じ時間に起きて、同じ道を歩いて同じ机に座って、学校に通っていたのに、今は写真を撮ってもらったり、こうやってインタビューをしてもらったりして不思議な感じです。去年はありがたいことに日本アカデミー賞の新人賞もいただいたんですけど、その前までは家で日本アカデミー賞をテレビで見ていましたから(笑)。本当にすごいことが起きていると思います。巡り会った作品もそうですし、周りの方々のおかげで今の自分が成り立っていると感じています。高校生のうちにこういうお仕事ができて、一足先に大人の世界に飛び込めたのは良かったと思います。でも、その一方で一生に1度の学生生活が終わってしまうと考えると悲しいですね。僕はもともと進学するつもりはなかったんですけど、周りは結構進学する子が多く、コロナで高校生活がほとんど送れなかったこともあって、そこはうらやましいです。勉強しながら、学生として楽しめる時間があるのはいいなって。僕の場合、学ぶのはお芝居ですね。お芝居を思いっきり楽しんでいけたらいいなと思っています」
Writing:杉嶋未来
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