「台本を読んだ時点からじわっとくるところがたくさんあって、まるで小説のようだと思うほど、作り込まれた脚本でした。僕も学校が嫌だと思ったことがあるので、とても共感しました。僕のクラスにも不登校の子がいましたし、身近ではあるけど、なかなか踏み込めない面もあって、難しい問題だと思いながら読ませていただきました」
「昨年のコロナの自粛もありましたし、家にひきこもっている時間の孤独感はわかる気がして想像しやすかったです。でも、演技をするのはとても難しかったです。いろんなことを考えてじっくり向き合いました。お芝居だけではなく、人としても成長できたような感覚があります」
「実は最初に主演が佐藤二朗さんだと伺って、福田雄一監督の福田組の二朗さんを想像して面白い作品なのかなと思ったんですけど、感動作でしたね(笑)。クランクインのとき、佐藤さん自身、僕はいつもの僕ではありません、と宣言してから、現場に入られていました。今回ご一緒して二朗さんの演技に対しての取り組みを間近で見させていただきました。僕が現場で悩んでいると、「南出おいで」って呼んでくださって、ここはこうしてみようって支えてくださって、作品のために動いている方だなと思いました」
「間についてです。僕は間をとってしまう癖があって、監督に「もうちょっと早くセリフを言って欲しい」って言われたんです。それをどうしようか考えていたら、二朗さんが一緒に台本読もうって声をかけてくださいました。そして、読み方だけではなく、振り向く瞬間とか目線とか、声色など、的確に細かくアドバイスしていただきました。監督もやられている二朗さんならではのアドバイスばかりで。本当に感謝しかないです。僕以外の10代の役者たちとも距離が近くて、思ったことは何でも言ってくださっていましたし、たくさん笑わせてくれました。自分には厳しい方で、「よーいスタート」で気持ちが作れなかったら、「ごめんなさい、もうちょっと待ってください」って、妥協が一切なく作っていらっしゃるんだなって感じました」
「1話のメインの奈々ちゃんを演じる鈴木梨央ちゃんが本当に素晴らしくて、2話のメインをやらせていただく僕としてはプレッシャーに感じたんですけど、その分成長させてもらったなと感じています。と同時に、梨央ちゃんや二朗さんと自分は何かが違うということも感じて、何段か上にいる梨央ちゃんとの差を見せられたなと感じています。二朗さんはとにかく雲の上の方で、二朗さんに演技させていただいたなって思ったので、二朗さんの演技に引っ張られるのではなくて、食らいつく、絡まれるようになりたいです。「ひきこもり先生」は、二朗さんと生徒との1対1のシーンが多くて、僕が演じる役もそうでしたが、本当にたくさん勉強させてもらいました。圧倒されて歴然の差を見せられ悔しかったですけど、二朗さんのお芝居をすごいなぁ、と見入ってしまう感覚もありました。この作品での経験を、これからの作品に活かせたらいいなと思います」
「セリフはないんですけど、どんなに苦しくても走り続ける征二くんと先生の姿です。楽しかったこと、辛かったことなど征二くんの思い出の場所をめぐって、学校に戻ってくるシーンは特に注目して見て欲しいです。現場にすごく無口なカメラマンさんがいらして、そのカメラマンさんが「よくやった!」って褒めてくださったんです。「いいぞ、いいぞ、頑張れ」って言ってくださって、すごく大変だったけど嬉しかったです」
「僕も征二くんたちと同じように当時楽しみにしていたことがあって、それが壊されてしまう。まさに同じような経験をしました。僕は中学2年生のとき、学校の先生に勧められてスキー実習でみんなをまとめる係をやることになったんです。みんなに迷惑をかけたり、苦労しながらも進めていたんですけど、それが直前でなくなってしまったんですよね。そのスキー実習の出発日から緊急事態宣言だったんです。その後の修学旅行もなくなりました。その時の虚しさや悔しさは残っています。先生は何も悪くないのに申し訳ないって泣いてくださって、僕も一緒に泣いてしまいました。この作品でその時のことを思い出しましたし、コロナがなければ楽しく過ごせたのにという部分もまた自分に重なるシーンとなりました」
Writing:杉嶋未来
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NHK総合
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