「この作品はオーディションでした。出演が決まったとき、とても嬉しかったと同時に、プレッシャーも感じました。僕は主人公の幼少期を演じることが多いんですけど、今回は、幼少期の自分が恋に落ちて、その後の物語につながっていくという設定でしたし、出演シーンがとても多かったので緊張しました。お芝居の見せ場も多かったので、とにかく頑張ろうと思いました。脚本を読ませていただいて、いろんな人の人生が絡まって書かれていて、楽しい部分があったし、切なくて悲しくなる部分もあると感じました」
「僕が漣くんに抱いたイメージは、明るくて普通の子でした。でも、運命的な出会いをして、好きになった女の子に関わってみたら、その子は自分とは正反対の環境にいて、自分ももしかしたらそういう立場や環境になるかもしれないという思いを抱いたと思います。でも、漣くんを演じる上では、ただただ普通の男の子を意識して演じました」
「葵ちゃんの人生を背負おうとした漣くんは、勇気があってすごいなって思いました。漣くんは明るいし、サッカーもしていて、インドアな僕とは正反対なんですよね。だから、漣くんに対して憧れの気持ちもありました。葵ちゃんへの行動もですが、あの広い北海道を自転車で移動したりして、すごいなって(笑)。自転車は僕も好きなので、自転車のシーンでは苦労はなかったんですけど、坂道はさすがに疲れました(笑)」
「監督は温厚で優しい方なのですが、お芝居の話になると、とても情熱的な方でした。僕自身まだまだ未熟なので、現場でたくさんのことを教えていただきました。僕が緊張していることもあって、ワンシーンワンシーン手取り足取り、細かいところまで丁寧に教えていただきました。こんなに若手の僕に対しても、監督が『君はどう思う?』って話しかけてくださって、自分が思う漣くんと監督が思う漣くんを合わせることができましたし、自分の最大限の力を出して、いいものができるように頑張ることができました」
「感情面では、初恋ということで、初めて恋に落ちるときの瞬きの多さとか意識しました。13歳の漣くんはいろいろな経験をして人と出会い、さまざまな感情が溢れていたので、その隠したいけど隠せない感情表情をするのがとても難しかったですが、微妙な変化に気をつけて撮影に挑みました」
「中島みゆきさんの曲は、母がよく聞いていて、カバーの方が知らないというぐらいです。親近感があったし、『糸』をモチーフにした作品に出演することができて嬉しかったです。小さいときは、どんなことを歌っているのかよくわからなかったんですけど、成長するにつれて、歌詞がわかるようになってきたので、今回の映画のストーリーと歌と重なる部分に感動しました」
「僕はベテランの方々の幼少期を演じさせていただくことがこれまで多く、ベテランの方々にたくさんのことを学ばせていただいてきました。『糸』でも、たくさんの素晴らしい先輩方が出ていて、登場人物のキャラクターもとても個性豊かなので、こういう役はこんな演じ方をするんだとか、菅田将暉さんをはじめ、いろいろな方の芝居を見ることができてたくさんのことを教えていただきました。菅田さんは高橋漣のままというか、高橋漣として生きていて、本当に素晴らしかったですし、勉強になりました」
「少し前まで、自分の年齢より少し小さい役を演じることが多かったんですけど、今回は本当に自分と同年代の役だったので、理解できるところも多かったですし、すごくいい経験になりました。夏と冬の撮影の間に、声変わりしたんですけど、そういった成長の過程も入れていただいて、等身大の中学生を演じることができました」
「今は得意不得意がわかれてしまっているんですけど、将来はマルチというか、何でもできる俳優になりたいです。いろんな表情を持っていて、どんな役でも演じられるようになりたいですし。演じていて憧れを持たれるような役者を目指したいです」
Writing:杉嶋未来
MOVIE
8月21日(金)公開
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