「久しぶりにオーディションを受けたので緊張していて、正直なところ手ごたえはほとんどありませんでした。決まったよと連絡があったときは素直に嬉しかったし、オーディションで勝ち取った役なので、自信にもつながりました。ただ、僕自身は渚のキャラクターに近い気がしていたので、迅に決まったのが意外でした」
「僕がまずできることといえば、台本をしっかりと読み込むこと。読みながら迅がどんな人物なのかをノートに書き出していきました。きっとクラスの中心人物ではなく、いつも端の方にいるような男の子で、自分の意見をはっきりと言えないタイプというのが台本を読んだ第一印象でした。口数も少なく、優等生。僕との共通点は……あまりなかったような気がします(笑)。春休みに名古屋からお父さんが住む江の島(藤沢市)へ遊びにくる設定でしたが、役作りをするうえでは名古屋での生活のことはあまり考えないようにしました。何かあって出てきたというよりは、単純にお父さんに会いたくてとか、せっかくの春休みだしというウキウキな気分が出せればいいのかなと。あとは、渚との距離感やバランスを大事にしていました」
「田中要次さんをはじめベテランの方々の芝居を間近で見ることができ、それだけで勉強になりました。連ドラといっても5話と短いのですが、それでも話が進むなかで迅という人物像が出来上がっていき、自然と役になれるというのもレッスンとの大きな違いでした。もともとお芝居は好きでしたが、より好きになれたし、もっと芝居をしたいと思えるようになりました」
「撮影に入る前の本読みの段階で、自分が考える井川迅について監督に話をしたんです。僕はこう考えているんですけど……と伝えると、今泉力哉監督も中里洋一監督もしっかりと話を聞いてくださって。撮影中も、○○やってという指示ではなく、どう思う?と僕の意見を聞いてくれるのが嬉しかったです。ひとつひとつの動きやセリフまわしを決められるのではなく、一緒に作り上げている感じがやる気にもつながりました。とくに今泉監督は映画を撮ることのほうが多く、ワンシーンにじっくりと時間をかけて撮影をするので、芝居経験の浅い僕にはやりやすかったです。脚本のアサダアツシさんからはドラマはひとりで闘うところだからと言われて、グループで活動するときより強い気持ちで現場に入るようにしていました。また、カメラマンさんからは、役者は先までストーリーを知りながら演じているけれど、わかって演じていると視聴者に違和感を与えてしまうよと教えていただきました。確かに次に何が起こるかわかっていますが、それでは驚いたり、喜んだりがウソっぽくなってしまうんですよね。監督をはじめ、みなさんが寄り添ってくれて、考える時間を与えてくれるし、意見も聞いてくれる。本当にあたたかく恵まれた環境のなかで芝居ができたことに感謝しています」
「サーフィンのシーンがあるので、ふたりだけ別日に撮影前に練習する日があったんです。僕、人見知りなので仲良くなるのに時間がかかるのですが、倉くんとは洋服好きという共通の話題があったのですぐに打ち解けることができました。クリアしないといけないサーフィンという共通の課題があったのも距離が縮まるきっかけになりましたね。最初は『サーフィン、難しいよね』みたいな会話からスタートしたと思うけど、練習後に買い物に行ったりするうちに迅と渚のような関係になっていきました。ただ、最初から仲がいい雰囲気を出してしまうとストーリーとしてはダメなので、意識的に撮影前はあまり話をしないようにしたことも。徐々に気になる存在になっていく過程も大切にしながら演じたので、そのドキドキ感をみなさんにも感じてもらえたらと思います」
「とても難しいテーマだし、知らないことが多かったのでこの機会に本を読んだり、LGBTをテーマにした映画も観たり勉強をして臨みました。迅を演じながら友情とは違う感情に戸惑ったり、葛藤したり、疑似体験をすることでまた少し理解が深まったのかなと思っています。迅と渚はこれからがはじまり。恋がはじまるときのピュアな思いが届けばいいなと思います。色々なカップルが出てくるので、さまざまな視点で楽しめると思います。もちろんサーフィンのシーンもみどころです!」
「今作は春休みということで制服を着ていないし、学校でのシーンもなかったので、また高校生役をやってみたいです。学生服を着られるうちに、学園ものを楽しみたいです!」
Writing:岩淵美樹
TV
4月8日(月)スタート
pagetop
page top