「競馬の中でもジョッキーや厩務員という職種にスポットを当てている作品で、新鮮な印象がありました。競馬に関しての知識もほとんどなく、イメージだけですがジョッキーになるのは男性と思っていました。競馬の世界で女性ジョッキーが奮闘し、成長していく姿を描いた作品ですが、社会の縮図のように感じました」
「出演をきっかけに、人生で初めて競馬を見ました。想像していた以上にスピードが出るし、シンプルな感想ですが“すごい”と思いました。アンダーグラウンドなイメージを持っていましたが、とても華やかな世界だという印象に変わりました。ただ、ドラマの舞台は厩舎なので、派手で華やかなレースシーンとは違う雰囲気でした」
「大河ドラマで少しだけ乗馬のシーンがあり、馬と接した経験はありましたが、今回は乗る側ではなく厩務員なので、馬との距離感が全然違います。撮影に入る前に、厩務員の仕事を教えていただきながら、馬に接する機会もいただきました。作業内容を教えていただいても、ずっと馬と接している方のように馬と接することはできないので、いかにそれっぽく見えるかをいろいろとレクチャーしていただきました。一番大変だったのは馬房の藁の敷き変えです。すごく力が必要な作業でした」
「大変さ、不便さを1回知っておきたいという気持ちで休日に出かけたときに声を使わずに過ごしてみましたが、それ以外は、普段の役作りとそこまで大きな違いはなかったです。監督からは、平手友梨奈さん演じる瑞穂に対して、誠が自分から心を開いていくイメージでという話がありました。すごく心を閉ざしている状態から、瑞穂の姿から刺激を受けて自分で一歩踏み出す感じです」
「平手さんは同学年ですごく話しやすかったですし、シーンについても“こんな風にしよう”“やりにくかったらこっちにする?”など演技の話や同学年ならではの話をたくさんしました。小沢仁志さんは年齢も上ですし、演じられている役の印象もあって少し怖かったのですが、とてもフランクに話しかけてくださり、作中のような“曲者感”はありませんでした(笑)」
「いろいろと指導してくださった方からも、馬に乗るのがうまくなる人はいるけれど、馬を扱うのが上手になる人はなかなかいない、と言われました(笑)。馬が暴れるシーンでは、実際に馬を興奮させてから撮影しなければいけないのですが、馬にはテストや本番の違いはわからないから、“よーい、スタート”の掛け声で暴れちゃいます。僕はずっと手綱を持っていなければいけないので、結構大変でした」
「1ヶ月ちょっと一緒に過ごしてきたので、撮影の最終日はとても寂しかったです。歩調や呼吸が合っているのを感じられるようになっていたし、手綱を引いているときに首を下げている姿を見ると“安心しているんだな”って分かり、心が通じたようですごくうれしかったです」
「時代劇での乗馬とは全然違い、スピードも出るし、体勢もすごく辛そうだし、いつ落ちるかもわからないので、ジョッキーの方は大変だろうなと思いました。馬がすごく好きになったので、もっと一緒にいたいという気持ちにはなりました。ペットとしては飼えないから、馬主になりたいな、と思ったりしました(笑)」
「大好きなブランドがちょうど乗馬、ジョッキーのスタイルを落とし込んでいるルックが多いコレクションだったので、そういう意味でワクワクして見ていました。瑞穂の勝負服は胸に薔薇がついたデザインで、派手な勝負服が並ぶ中でも目立っていました。僕だったら、目とか心臓をモチーフにしたデザインがいいかな、なんて思います」
「誠が明らかに変わったという瞬間は注目してほしいです。平手さんとのやりとりを経て出来上がったシーンで、演じていても印象的でしたし、芝居の生感、おもしろさが伝わると思います。引退寸前やレースで使い物にならない馬のいる廃業寸前の緑川厩舎に流れ着いてきた人たちの物語です。人生を諦めている人たちの中に、負けず嫌いで熱のある前向きな瑞穂が入ってくることで、人も馬も自分を取り戻し前を向いていきます。力をもらえるような作品になっているので、ぜひ楽しんでください。馬もがんばっているので注目していただきたいです」
「いろいろと経験させてもらった10代にやり残したことはない、と今年の中盤くらいから思っていました(笑)。具体的に何歳でこんなことをしたいとイメージするタイプではないのですが、10代から20代は、越えるべき壁のようなものがあると感じています。その壁が出てくるたびに、決意表明とはいかないまでも、自分の表現を出して再出発する感じで乗り越えていけたらいいなと思っています。新しいことをやるよりも積み上げたものを20代の色にしていくというイメージです」
Writing:タナカシノブ
TV
12月18日、25日(土)よる9時~10時13分(前・後編)
NHK総合
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