「オーディションから半年以上経っていたので、実は受けたことも忘れていました(笑)。『花燃ゆ』のときが13歳、そして今回が19歳。10代のうちに2度も1年間放送される作品に関われることは、すごく大きなことですし、ありがたいことです」
「現代でいうと中学生くらいの年齢で、日本を背負ってパリ万国博覧会へ向かいます。14歳(※数え年)にしては荷が重すぎるくらいの大役ですが、慶喜が昭武に“任せよう”と思えるほどの人物だったと解釈しています。育った環境や、学んできたことはもちろん基盤としてあるのですが、それ以上に醸し出す品位、カリスマ性、佇まいなどが大事になってくるなと感じました」
「栄一役の吉沢亮さんが出演する作品はたくさん拝見してきました。実際に一緒に芝居をして、目がすごく素敵でキレイという印象を受けました。初めて見るものに目を輝かせるときは、子どものように澄んだ目をしているし、強い意志を表現するときには鷹が獲物を狙うような鋭い目をされています。間近でそれを見て感じることができるのはすごくうれしかったです。芝居以外でも、洋服の話とかもよくします。僕がちょうど撮影時に朝の情報番組のパーソナリティをやっていたのですが、吉沢さんも以前、同じ番組に出演経験があり、体調やスケジュールを気遣い、優しく声をかけてくださったのはとてもありがたかったです。作中の栄一と昭武のような良い関係が築けたと感じています」
「正直言うと、役をいただく前までは昭武のことを知りませんでした。演じると決まってから、いろいろと調べました。どの写真を見ても、気高いという印象を受け、演じる時には空気を含むような動きを意識しました。鋭い中にも柔らかさがある人物だと感じたので、そこをベースにして演じていく中で膨らませていこうと考えていました」
「ただパリに出向くのではなく、これまでの日本の歴史をすべて背負って行く立場です。14歳で皇帝ナポレオン三世に謁見するなんて、想像もできないようなプレッシャーを感じていたはずだけど、それを押しのけ、凌駕し、堂々と佇む強さ、覚悟は相当強かったはずです。昭武の強さ、覚悟はパリであれ、帰国後であれ、根底にあるものとして常に意識していました。ちょうど僕が『花燃ゆ』に出演した頃の年齢で、日本を背負ってはるか遠い国へ行くなんて、自分には絶対無理と思いました。責任がのしかかる中、遠く離れた異国の地で日本の現状を知る。知らせが届くにはタイムラグがあるので、伝えられた現状は、リアルタイムの現状ではありません。まさに今、何が起きているのかを窺い知ることはできないのです。僕が思う昭武は、“日本は今、どうなっているんだろう”という気持ちや考えがグルグルと巡る中で、冷静に“自分がやるべきこと”に頭をシフトチェンジできる人。そういう彼の特長や佇まいは常に意識して演じました」
「僕の日常生活は、彼の所作や佇まいとはかけ離れています。どちらかというと、ちょっとだらしなかったりもするし(笑)。なので、撮影が近づくと、意識して歩き方や所作を昭武モードに切り替えていました」
「豪華絢爛な宮殿で、たくさんの人に囲まれる中、正面にいる皇帝ナポレオン三世のほうへ堂々と進んでいく。たくさんの人がいて、宮殿内には足音が響き、緊張感が漂っている様子を想像しながら演じなければならないので、集中力が求められました。栄一とセーヌ川の川沿いを歩くシーンも風や川の匂い、パリの景色を想像しながら演じる必要があったのですが、とても印象的な撮影で思い出に残っています。皇帝ナポレオン三世との謁見シーンと栄一と歩くセーヌ川のシーンは、僕自身も気に入っているので、楽しみにしていただきたいです」
「昭武は身分も違う栄一に信頼をおき、絆を築いていきます。栄一の柔軟な考え方や聡明さに影響を受け、感銘したのだと思います。身分を超えて心を動かされていく昭武の姿は見どころです!」
Writing:タナカシノブ/Styling:阿部絵莉香/Hair&Make-up:KATO(TRON)
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