「少女漫画だけど、キラキラしているだけでなく、人の重い部分も描いていて、ストーリー的にも好きなタイプの作品だと思いました。長谷部っていろいろなところに出没するんですけど、その出没の仕方がおもしろくて素敵で自由な感じがして惹かれました。その自由度はお芝居でも大切にしたいと思っていました。長谷部は初めて人を好きになります。人を好きになることって難しいことだけど、その経験を通して、人には気づかれないような変化や成長をする長谷部の姿には、すごく共感できました」
「監督から細かいリクエストは特になく、すごく自由にやらせて頂けました。有馬役の浮所飛貴くんとつかさ役の白石聖さん、二人の正直なお芝居に答えるように演じるのが長谷部として自然で素敵だと思ったので、どっしり構える二人のお芝居が本当にありがたかったですし、そのアプローチがマッチしていたので、すごくやりやすかったです。「みんなのこと前から知っているような気がする……」とさえ思うほど、撮影現場が高校そのものみたいな雰囲気でした。そのせいか、自然と高校生のような気持ちになっていた気もします。好奇心があって、やってみたいこともたくさんあって、友達になりたいと思ったら即行動、そんな衝動で動くという勢いが、作品に反映されるような空気感があったと思います」
「相手のために笑顔でいようと思う人って素敵ですよね。長谷部からもそういうところを感じるので、女性関係は確かにあまりよくなかったキャラクターだけれど、誰かを虜にできるというのは、人としてはすごく魅力的だと思います。愛想笑いもしないし、嘘をつかずに思ったことをストレートに言う有馬は、長谷部とは対照的だけど、人間関係にもすごく正直でクラスにいたら、彼も友達になりたいタイプです」
「僕も、まっすぐな笑顔にやられちゃいました。思いっきり笑ってくれる人は素敵だし、自分にも自分の気持ちにも正直なところがかわいいと思います。告白して振られても、一途に諦めない。つかさが有馬にそうしたように、友達として一生懸命になってくれたら、好きになっちゃうことはあるんじゃないかなと思います」
「つかさちゃんと海辺を歩きながら、アヒルのような口調でしゃべるシーンは、個人的にキュンとしちゃいます。最初は二人で歩きながら話すだけのシーンだったのですが、高岡俊樹役の若林時英くんが持っていた荷物の中に、アヒルのおもちゃが入っていて。「なんかいいいじゃん」「ちょっとこれ持って芝居してみる」という話になって、誰にも知らせずに撮影に入りました」
「文化祭、林間学校など、高校時代の学校のイベントにはできるだけ参加していたし、今でもその経験が財産になっています。すでにこの仕事を始めていましたが、それができたことは本当にありがたかったです。「僕もこんな高校生活送ってみたかった」というよりも、別の高校生活を体験しているという感覚でした。撮影現場自体が高校みたいだったので、普通の会話をしているだけでも、一緒に高校生活を送っているような気持ちになりました。作中に登場する文化祭のジンクスみたいなものは、自分の学校にはなかったかな、知らないだけかもしれないですけど。ジンクスに関係しますが、映画のラストで雨が降るシーンには注目して欲しいです!」
「キュンキュンがたくさん詰まった恋愛映画の中に、学生たちの悩みもリアルに描かれています。今、高校生活を送っている人が観たら、登場人物と自分の隣の席に座っている子がリンクするくらい親近感を持てると思います。1度しかない高校生活、これくらい思いっきりはしゃいでもいいじゃない、という気持ちで一緒に盛り上がってもらえたらうれしいです。友達と一緒に観るのはもちろん、デートにもおすすめだし、一人で観ても楽しいと思います。誰かと一緒に観るのと、一人で観るのとでは、感じ方も違ってくると思います。それぞれの楽しみ方で、映画を堪能してください。梅雨のジメジメ気分が吹き飛びます!」
Writing:タナカシノブ
MOVIE
6月4日(金)公開
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