「原作も読ませていただいたのですが、正直、僕は梓のようなイケメンではないなと思っていたんです。でも、現場に入ったら山戸(結希)監督に「生物学上イケメンなのに、どうしてそんなに自信がないんですか?」って言われて…(笑)。そんな褒め言葉を言われたことがなかったので驚きました(笑)。その言葉を聞いて、そこまで言ってもらったのに自信を持たない理由がないなと思ったんです。一緒にお仕事させていただく人にこんなに素敵な言葉を言ってもらえたのは初めてだったので、そこで自信を持つことができて、梓という役と向き合う勇気がでました」
「梓と板垣瑞生は、根本的には一緒というか、似ている部分がすごく多いんです。でも、ちょっと違う部分もあるから、違うように見えているだけ。ただ、似ている人って、似ているからこそ演じにくいんですよね。似ていない人に変身する方が実はすごく楽で、これは感覚的な話なので自分でもよく分かってはいないんですけど、たぶん、自分に似ている人を演じたら、自分の内面をさらけだすみたいで怖いからなのかなって。そういう精神的な怖さもあったので、正直、最初は苦戦しました。怖かったし苦しかったし、そういう感情を持ちながらやっていました」
「人間の闇の部分、暗い部分がキラキラ輝いて映れば良いなって思ってやっていました。闇の部分も登場人物のカッコ良さだったり、美しさに繋がればいいなと。梓は心に闇を持つ役どころだったので、本当はしたくないけど、でもしなきゃいけないっていう葛藤があったので、撮影期間中は毎日苦しかったし、暗かったなって思います(笑)」
「僕は気持ち良かったかな。観終わったあとに、答えが見つかったような、腹が決まったような感じがしたというか。最後の方のシーンで、「バカでいいんだよ」っていう台詞が出てくるんですが、その言葉にすごく感銘を受けたんですよね。登場人物達がみんな、自分の心のままに動いていて、しんどい部分もあるけど、なんだか自分の中でスイッチが入った気がしました。うまく表現できないんですけど(笑)。同世代の人達がこの作品を観てくれたら、きっとみんな似たような感覚になると思うんです。すごく感覚的な作品なんですよね。誰も言葉で10代の苦しさを表現しましたって言っていないんですよ。言っていないのに、観ている人に伝わるっていうのが山戸監督のすごいところだなって思います」
「もともと台本に長い台詞が書いてあるのに、本番直前に渡された新しい台本では台詞が3倍ぐらいに増えていたことも(笑)。さすがに「え?」って思いました(笑)。だから台詞を覚えるのはすごく大変でした。登場人物たちは台詞を言いながら、みんなたくさん動くんですけど、特に僕は一番動きが多かった気がします。台詞を言いながら動いて、そしてそこに感情も乗せていかないといけなかったので、そこはちょっと苦労しました」
「台詞を覚えるのが早くなりました(笑)。あとは自信がつきました。梓の役って、これまで僕がしてきたお芝居で挑んだら全然違うなと思ったんです。梓のような人を見たことがなかったというか。でもやるしかないし、台本に答えが書いてあるわけでもない。演じる側からしたらとても勇気もいりますし、これであっているのかな?って思ったり。とにかく最初は緊張しましたけど、終わった今は、その経験が自信になったなって感じています」
「尋也とは仲が良いので、また一緒にできるって聞いて本当に嬉しかったです。現場では2人でめっちゃふざけてました(笑)。初を演じた堀(未央奈)さんは人見知りをする方と聞いていたので、休憩時間には僕と尋也の2人で話しかけに行っていて、そしてそれを傍から見ている間宮(祥太朗)さん。やっぱり間宮さんは大人なので、僕達のやりとりの中には入ってきませんでしたね(笑)」
「女性のために作った映画なので、年齢問わず、全国の女性に観ていただきたいです。恋愛でもがいている女性が観たら、ヒントじゃないけど、何か感じるものがあると思います。憧れているけど、付き合えない、けど付き合いたいとか、そういう気持ちをこの映画は理解して包み込んでくれます。それで観終わったあとに、自分が想像していたような恋愛映画ではなかったけど、これもすごく素敵だったなって感じてもらえたら嬉しいです」
Writing:makie enomoto
MOVIE
6月28日(金)公開
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