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宮部みゆき原作の映画『ソロモンの偽証』で物語の重要なキーマン・神原和彦を演じた板垣瑞生。1万人に及ぶ候補者が集った熾烈なオーディションをくぐり抜け、見事手にした大役と大いに“格闘”したからこそ改めて見えた“この先への思い”とは──。

“自分の役者としてのプライドをもっと高めたい”と思える大切な作品と出会いました。

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―― 映画『ソロモンの偽証』についてまず驚かされたのは、物語の芯を担う33名の若き俳優たちが、1万人にも及ぶ候補者からオーディションされた精鋭揃いという事実だ。

「オーディションは約半年。自分が今まで経験した中でも一番長くて一番辛かったかもしれません。でもオーディションの間はいろんなレッスンも受けさせてもらいましたし、ワークショップもやったし…すごくいい経験をたくさんさせてもらいました。『ソロモンの偽証』は最初に頂いたオーディション用の台本もすごく面白くて、“自分は絶対この作品をやりたい”って思ったんです。オーディションではホントに日に日に周りの子たちが減っていたりという状況だったのでドキドキもしたけれど、とにかく目の前のことに一生懸命で…最後はいつの間にか気づいたら残っていたっていう感じでした」

―― クリスマスの朝に校庭で転落死した男子生徒・柏木卓也の死の真相を巡り、中学校内の複雑な人間模様がじりじりと描き出されていくヒューマンミステリーである本作。その中で板垣が演じるのは柏木少年の旧友、友人の死に隠された“真実”を暴くためクラスメートたちが開く“学校内裁判”で弁護士を務める利発な少年・神原和彦だ。神原は大人びた表情の裏に言葉にできない危うさがただようどこかミステリアスな存在。佇まいは静かだが、自然と観客の視線を集めていく強い吸引力を持ったキャラクターである。

「神原くんはとても特殊な役で、ホントにいろんな思いを交錯させながら演じていました。ミステリーなのであまり詳しいことは言えないんですが、撮影では最初のほうに柏木くんが死ぬシーンを撮って…神原和彦としてしっかり存在するために、僕はそのときの柏木くんの台詞を常に胸に噛みしめながら全シーンを撮り続けたので、やはり気持ちは辛かったですね。また、神原くんは落ち着きが合って思慮深い男の子なので、普段から声のトーンも低く保つようにして、周囲への観察力も大事にして。自分自身も深い傷を抱えながらそれを乗り越えいろんな人の思い…裁判に関わる全員の感情を理解し、あの裁判にたどりついた強さを持った人。監督には“孤独になれ”とも言われました」

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―― ある意味自分を追い込んでの撮影が続く中、やはり心の支えになったのは中学生役の仲間たちだ。

「自分が神原くんの持つ強さや複雑さを最後までしっかり演じられたのは、やっぱりみんなに助けてもらったからこそ。撮影中はどうしても神原になればなるほど感情を押さえきれずにどんどん興奮してきてしまって、気持ちをコントロールしきれなくなりそうなこともあって…そんなときも近い存在だった大出くん(役の清水尋也さん)や野田くん(役の前田航基さん)が声をかけてくれたり、話し合ったりしながら精神的に支えていてくれた。ふたりだけじゃなく、オーディションからずっと“ひとつの作品を創るために頑張って行こう”という気持ちで長い間いっしょに過ごしてきたみんなの存在はホントに大きかったし、演じるという上で“自分だけが”じゃなく、ときには客観的になること、観ている人にもわかりやすく表現すること、周りの役者さんたちとしっかりコミュニケーションをとって場面を創っていくことがどれだけ大切かというのを、僕はこの現場で明確に学ぶことができたんです」

―― いじめ、クラス内格差、孤独な心、親からの暴力…ここに登場する中学生たちはみな、日常と隣り合わせに潜む様々な“闇”に直面し、悩み、苦しみながらも毎日を生きている。だからこそ、彼らによる彼らのための“学校内裁判”は、生きる力を失くさないためにも絶対に必要な通過儀礼だったのかもしれない。映画は少年の死から子どもたちが裁判の開廷を決意するまでを描く〔前篇・事件〕と、真実を自分たちの手で紐解いていく過程を追った〔後篇・裁判〕の2本立てという大作。特に〔後篇・裁判〕は、前代未聞の中学生による法廷劇が果敢に展開されていく。

「裁判のシーンは確かに大変でしたけど、でも…弁護士、神原くんは“できる”んですよね。当然できると思っているし、実際にやることに対して余裕も自信も持っている。だから自分もそこに近づけるために台詞も完璧にやらなくちゃと思いました。被告人となった大出くんを確固たる気持ちで弁護するし、しかも弁護の中に自分自身の感情を乗せたり、裁判としての駆け引きもやってのける。大出くんが暴れても神原くんのやり方─あくまでも暴力ではなく言葉で制していくこと─をしっかりやり遂げたかった。難しいこともたくさんあったし、真夏の撮影で脱水症状寸前になったりといろんな思い出があるけど(笑)、この年齢で裁判劇の弁護士を演じられるのは貴重な体験ですし、挑戦できてとても嬉しかったです。やっぱり自分が1万人の中から神原和彦という役を頂いたからには責任を持って務めたいと思って…自分の役者としてのプライドをもっと高めたいと改めて思いながら演じていました。あ、そうだ。法廷シーンを撮る前に、みんなで霞ヶ関まで本物の裁判を見学にも行ったんですよ! リアルな法廷での空気にワクワクしたし、弁護士さんの振る舞いや視線の動きとか、神原くんに近づく要素をたくさんもらえて刺激を受けました」

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―― ティーンならではの真っすぐさや不器用さ、大人とのぶつかり合い、事件の根深さ、そしてミスリードからのドンでん返し。骨太なテーマと法廷ミステリーとしてのエンタメ性の高さが融合した本作への参加は、伸び盛りの俳優・板垣瑞生にさらなる大きな経験と自信とを与えてくれたようだ。

「神原くんを演じることで自分自身お芝居の振り幅がすごくつきましたし、今はこの作品をやり遂げたことでさらに欲が出てきたというか、これからの自分のことをすごく考えるようになりました。監督にはそのときの自分の最大限を引き出して頂いたと思いますし…なんて言ったらいいのかな?そう、今回はわりとヘビーな役柄でしたが、すべて終わって自分の目で映画を観て、その上で今、改めてもっともっといろんな役をやりたいっていう気持ちがわきあがってきているんです。33人の仲間たちとも俳優同士、今度はまた違う現場で再会できたら嬉しいな。これからもいろんな作品にどんどんチャレンジしていきたいです!」

―― 映画の完成はゴールではなく次へのスタートライン。「楽しかったこともくやしかったことも含めて、神原くんはいろんな感情が重なってできた少年なんですよ」と語るその大きな瞳には、劇中の中学生たち同様、まだ見ぬ未来を信じる澄み切った光が宿っている。

「僕を含め、今回はほぼ本格的な演技が初めてという俳優が多いんですが、そんな僕らの荒削りで新鮮な演技もぜひ観てもらいたいです。法廷シーンもホントに見どころになっていますので、早くたくさんの人に観ていただきたいですね。そして…これは監督も言ってたんですけど、この映画を観て、自殺する子どもがひとりでも減るといいな…という思いもあります。それこそ“役者になりたい”って思ってもらうのもいいですし、同年代の人にとってなにかひとつのきっかけとしてもらえるような素敵な映画ができたと思っています」


Writing:横澤由香

インフォメーション

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(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会

MOVIE

『ソロモンの偽証』

<前篇・事件>2015年3月7日(土)全国ロードショー
<後篇・裁判>2015年4月11日(土)全国ロードショー


ベストセラー作家・宮部みゆきが、構想15年、執筆に9年を費やした、現代ミステリーの最高傑作と謳われている小説を、日本アカデミー賞ほか、主要映画賞を30冠受賞した成島出監督をはじめとする『八日目の蝉』チームが再結集し、完全映画化。
雪の校庭に転落死した男子生徒。警察は自殺と判断したが、殺人の目撃者を名乗る告発状が学校に届く。告発された容疑者はクラスメート。過熱するマスコミ報道、無力な学校と親、新たな殺人計画、そして犠牲者がひとり、また一人。もう、大人たちに任せてはおけない。隠された真実を暴くため、学校内裁判が開廷される──。

▼公式サイト
http://solomon-movie.jp/

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