中山莉子「3月にリリースした『MUSiC』は、これまでお世話になってきた方々とコラボをさせていただきました。でも、今回の『playlist』はそれとは逆で、初めて関わる方々と一緒に作り上げたアルバムになります。みなさん、エビ中のことをしっかりと調べてくださって、今のエビ中にピッタリな曲を作ってくださったんです。次の11周年に繋げていくためには、こうやって新しい挑戦をして、エビ中の新しい魅力をどんどん出せるようにしていきたいです」
星名美怜「今回、楽曲を提供してくださったみなさんは、サブスクで人気のアーティストさんたちばかり。サブスクを使っている人たちは、みんなプレイリストを作って音楽を聴いていると思うんですけど、そういう今っぽさを込めつつ、でもそれをスマートフォンではなくてCDという形で表現したくて、このタイトルになりました。サブスク世代の人にも興味を持っていただけると思いましたし、サブスクを使っていないという人には、プレイリストという新しい文化を知っていただくキッカケになれたらなと」
星名「そこまで大々的に打ち出しているわけじゃないんですけど、誰かが中心となって歌っている楽曲もあります。エビ中は個性がはっきりしているグループなんですけど、ここ1、2年で、その個性がより分かりやすく出てきているなと思っているんです。それが今回のアルバム曲とマッチする部分もあったので、その個性を活かせたらいいんじゃないかという話があって、ひとりずつメイン曲をいただくことになりました」
星名「そうなんです。『PANDORA』は、私がメインとなっていて、世界観の設定やダンスにも意見を出させてもらいました。10年間ずっとお世話になっているダンスの先生に振りをつけていただいたんですが、この曲では、私が姫という設定なんです(笑)。自分の人から見えるイメージとかはあまり分からないんですけど、みんなに美怜ちゃんっぽいって言われましたね。そういう個性を、楽曲そのものにも活かせて遊んでいけるようになったというのが、自分たちへのご褒美のように感じているので、うれしいです」
中山「私は『オメカシ・フィーバー』です。これまでの曲でも、みんなが歌っているときに、私がセリフを言ってステージを駆け回ったりすることが多かったので、たぶんこの曲を聴いたら、ファンのみなさんも私っぽい曲だなって思っていただけるんじゃないかなと」
星名「この曲は本当に莉子って感じがする(笑)」
中山「想像できるよね(笑)。まだダンスの振りとかは決まっていないんですけど、自分でもこうなるんだろうなって想像ができるんです。だからステージで披露するのが楽しみです」
星名「10周年のアルバムを作ろうってなったときに、みんなで会議をしたんですけど、そのときに歌詞を書いてみたいねって話が出て、実現した曲になります。ひとりずつ歌詞を書いて、送りあっていたんですけど、最初から歌詞っぽく書いているメンバーもいれば、箇条書きで書いているメンバーもいて。そういうところも個性が出ていて、面白かったです」
中山「私は毎日、携帯で日記をつけているんです。そのおかげか、あまり難しく考えずに、今思っている気持ちを書くことができました。打ち合わせをした直後に、すぐ考え始めたので、実は2日ぐらいで完成していたんです。でも、自分の気持ちをみんなに見せるっていうのが恥ずかしくて……」
星名「わかる!恥ずかしいから、送るのに勇気が必要だったよね(笑)」
中山「そうなの。だから1ヶ月ぐらい温めて、締切ギリギリに提出しました(笑)」
星名「私も文章を書くのがもともと好きだったので、わりとすぐに書けました。作詞も、本当はずっとやってみたいなって思っていたんですけど、さっきも言ったように恥ずかしかったのでなかなかできなくて……。だから、この10周年というタイミングでできてよかったです!」
中山「私は『年齢だって性格だって違う クラスにいても仲良くならないタイプ』っていうところです。メンバーともよく、「このメンバーが同じクラスにいたら、きっと仲良くなっていないよね」って話すんです(笑)。その話題が記憶に残っていたので、こういう歌詞を書いてみました。ちょうどこのフレーズから、歌穂ちゃんと私の最年少コンビのパートになっていて、2人ずつで歌い出すんです。その次のパートが年長コンビになっていて、歌割りの分かれ方がなんかいいなぁって思いました」
星名「私は『無理に笑ってカラ元気だしても それってなんでかバレてる』ですね。ここは自分のパートにもなりましたし」
中山「ここは美怜ちゃんって感じがするよ!」
星名「人前に立つときは、どんなに自分が落ち込んでいたりしても、それを抑えていられるんですけど、メンバーの前だと、それがバレているんですよね。言葉に出さなくても、お互いに心配しあっているというか。それって、ずっと長い時間、同じグループにいるからこそ伝わる空気感なんだろうなって思います。同じお仕事をして、同じことを同じように経験しているメンバーだからこそ、分かるもの。メンバーの前だと、どうしても素の自分が出ちゃうんですよね」
中山「そうだね。本当に、家族とも友達とも違うっていう不思議な関係性だよね」
星名「こういう関係性って、アイドルやバンドさんとかのグループで活動している人たちじゃないと味わえない感覚なのかなって思います。10年やってきて、自分のほぼ半生をかけてやっているからこそ生まれたものだと思います」
中山「『ちがうの』のレコーディングをしたときに、ビッケブランカさんが直接ディレクションをしてくださったのが印象に残っています。実は、最後のラップ部分をどう歌えばいいんだろうって悩んでいたんです。曲の締めにもなるので、どうすればいいんだろうって…」
星名「そうだよね。『wa』ってどう歌えばいいんだろうって思うよね」
中山「ビッケさんは、事前に録音していたプリプロ(仮録音)を聴いてくださっていて、それを元に当日のレコーディングでいろいろとアドバイスをくださいました。『wa』って感情ではなくて、効果音のイメージだよって言われて、それですんなり理解することができました。やっぱり、直接お話できるのはありがたかったです」
星名「私は『PANDORA』ですね。この曲は、アルバムの中で一番最初にレコーディングをした曲です。この曲が最初に来たから、このアルバムどうなるんだろう…って思いました(笑)。一度しかデモを聴いていなくても、『パラドックス』っていうフレーズがずっと頭に残ってしまうぐらい印象的な曲でした」
星名「自分でも、高いキーが出るか出ないかどっちだろうって思っていたんですけど、歌ってみたら出てくれたので、「やったー!」って思いました(笑)。高いキーや早口のパートもあって難しいですけど、それを突破していく感じの楽しさがありましたし、ライブでパフォーマンスしている様子がイメージしやすい楽曲でもあったので、楽しく挑戦できました」
中山「『PANDORA』では、みなさんすぐにコールを入れてくれました!」
星名「コールが入れやすい『PANDORA』みたいな曲は、やっぱりみなさん好きなんだなぁって思いました(笑)。『ちがうの』はダンスがかわいいんですけど、歌詞の切なさがメンバーの表情やダンスでも表現されているので、会場全体が暖かいというか、やわらかくなる曲です」
中山「やっぱり難しかったです(笑)。でも、今後のライブでもずっと歌っていく曲になると思うので、ライブを重ねて、これだ!っていうものを掴んでいけたらいいなって思っています」
星名「えー、すごい迷うな……。『SHAKE! SHAKE!』も好きだけど、『I’ll be here』も好き。この2曲は、自分がいつも聴いている音楽と近い曲調なので、自然にスッと入ってきました。『SHAKE! SHAKE!』は、最後の方に急に煽りっぽいセリフも入ってきて、ライブで引き立つ曲だなと思います。今までの煽り曲って、最初からアップテンポの曲が多かったんですけど、この曲はちょっと違って、大人な感じがします。個人的には、朝に聴いたら気持ちがあがる曲ですね」
中山「私は『愛のレンタル』ですね。この曲は、心に寄り添ってくれる何かがあって、ずっと聴いていたいなって思うぐらい好きです。タイトルからしてかわいいし、人によって歌詞の捉え方も違う気がするので面白いなって。恋愛ソングって思う人もいるだろうし、家族のことを言っているのかなって思う人もいるだろうし、この曲を聴いてくれた人たちに、どう思った?って聞いてみたいです」
星名「とっても濃い1年でした。昔からずっと一緒にやってきていたアイドルさんたちが、卒業したり解散していたりする中で、10年も活動ができているっていうのが、本当にありがたいことだなと思っています。アルバムやフェスでお世話になった方々を見ても、改めて、自分たちがこんなにも素晴らしい方たちと関わらせていただいているんだって思いましたし、エビ中の楽曲は胸を張って“武器”って言えるんだなと、自信にも繋がりました。でも、この10周年で一区切りをつけるわけではなくて、このあとの11周年、12周年と、さらにその先を楽しみにしてもらいたいので、エビ中の曲やメンバーと一緒に、ファンのみなさんの人生も重ねてもらえたらいいなって思っています」
中山「(拍手)」
星名「なんで拍手してるの(笑)」
中山「素敵なお話だなと思って!」
中山「最近では、アルバム制作会議やセトリを考えたりする会議にも、ちょっとずつ参加できているんです。だからそれが成長したことかなと思います。まだ私は、いい意見が思いつかなくて発言できないこともあるんですけど、いろんな人の意見を聞くことで、そういう考え方もあるんだって学ぶことも多いので、勉強になります」
星名「歌穂と莉子も、最近は私たちが「たしかに!」って思うような意見を出してくれるようになってきたんです。だから今は、会議をするときには、ひとりずつがしっかりと意見を出せるようになってきましたね。今後は、ライブをメンバーがプロデュースしてみたりとか、そういうこともやってみたいな」
中山「やってみたい!すごく楽しそう!」
中山「2年ぐらい前なんですけど、ツアーやいろんなお仕事が重なって、メンバーからも少し疲れた雰囲気が漂ってしまったときがあったんです。そのときに、周りのスタッフさんたちから「若い力でみんなを引っ張っていって!」って言われて。その言葉を聞いて、私ってそういうところでエビ中の役に立てるんだ!って思いました(笑)」
星名「最年少の若さでね(笑)」
中山「みんなが大変なときこそ、年少組が頑張っていかないといけないっていうのを学んだので、それからは若さを全面に出すようにしています!エビ中は全体的に声が大人っぽい感じなので、挨拶するときはちょっと声を高めにしてみたりとか(笑)」
星名「私は、周りからスーパーポジティブ人間に見られるんですよね。もちろん、落ち込むときもあるんですけど、なぜかハッピー人間だって思われていて(笑)。でもそう思われているなら、そのイメージどおりに、みんなを明るくしていけたらいいなって。みんなにハッピーを分け与えることができるのが、私の強みかなって思います」
星名「バンド編成は久しぶりなので楽しみです!この数年でできた、バンドサウンドがピッタリな曲をたくさん集めてやっていきたいです」
中山「今回のアルバム曲は、どれもバンド編成に映えそうですよね。幕張メッセという大きいホールでやらせてもらえるので、今まで応援してきてくださったファンの方にありがとうの気持ちを伝えつつ、10周年の集大成を見せられたらと思っています」
星名「そして10周年の最後に、初めてカウントダウン大学芸会もやらせてもらえることになりました!初めてだから楽しみすぎるよね」
中山「本当に楽しみ!年を越す瞬間、みんなで何しようかな(笑)。やってみたいことがたくさんある!」
星名「年末までライブをやることって、これまでなかったので、今からわくわくしています!バチバチに決めたライブというよりかは、楽屋にいるときのエビ中みたいな、ゆるい感じを見せられたら面白いかなって思っているので、ぜひ楽しみにしていてください!」
Writing:makie enomoto
ALBUM
12月18日(水)リリース
LIVE
pagetop
page top