真山りか「はい。今回のアルバムタイトル『穴空』(アナーキー)にはいろんな意味があるんです。グループ自体が無政府状態みたいな自由グループだし、私たちの出席番号も穴空き。『中人』、『金八』と線対称のタイトルが来て、『穴空』もそれを踏襲していますし。」
星名美怜「ジャケット写真はこれまでのアルバム同様ソニーの本社ビルの前で撮ったんですけど、メンバーの成長も3枚並べてみると発見できるんじゃないかと思います。アルバムを見ればエビ中の歴史がわかるっていうか。そこにも注目してもらえたら嬉しいです。」
真山「みんなそれぞれ年を重ねてきて、今年の春で全員が中学生を越えた中学生になるんです。そういう意味でもすごく新鮮というか。今回はじめてご一緒させていただく方が多かったんですね。今までどおりの楽しい感じの楽曲も多いんですけど、新しく挑戦したタイプの曲も多くて、いろんな人に楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています。」
中山莉子「前作『金八』の時も、1曲目からパンチが効いてたんですけど、『穴空』もすごいんです。今回、みんなで一緒にレコーディングをしたんですよ。」
星名「今回、初めてみんなでブースに入って録った曲が多かったんだよね。」
中山「うん。」
真山「いつもはひとりずつブースに入って、コンデンサーマイクっていう壁に立ててあるタイプで録るんです。でも今回は、4人ずつでライブで使うようなスタンド式のダイナミックマイクを使って録音をしました。誰かと一緒にレコーディングブースに入るっていうこと自体が初めてだったんですよ。」
真山「Interludeの3曲と、『ゼッテーアナーキー』はそういう形で録りました。」
星名「『ゼッテーアナーキー』は作曲がユニコーンのABEDONさんで、アドバイスとかもロックでかっこいいんですよ。私たちがちょっとでも緊張すると「もっと自由でいいよ」って声をかけてくださるんです。「とにかく楽しんで!」って。」
真山「「適当にやっていいよ」って言われて、私たち本当に適当にやったんだよね(笑)。そしたら「お前ら、適当だな~」って笑われたりして。でもそれでも良かったみたい。」
星名「一緒に歌うのは、今まで本当にない経験でした。だってライブ中もそんなに歌のかけ合いってないもんね。」
中山「うん、みんなで一気に録るのがすごく面白かった。そういうかけ合いが1曲目からバーンって出てくるのも面白いと思います。」
星名「はい。これはもうレゲエっていうか、俳句みたいな感じです。」
真山「それも一般的な感じじゃなく、詠んでるんですけど叫ぶだけっていうか(笑)。演出と台本は『永遠に中学生』でお世話になっていた丸山博久さん。この方がちょっとまた、癖のある方でして(笑)。「自由にしていいよ、好きなリズムで」って仰るので、それに合わせて録りました。」
真山「ありましたねえ。」
星名「『お願いジーザス』と『全力☆ランナー』は、照明を落として録ったんです。いつもは明るい状態で録っているんですけど、曲調に合う雰囲気を出そうって。私も『お願いジーザス』のフジファブリック加藤慎一さんの歌詞を読んで、しっかり歌いたいなと思っていたので、気持ちが変わって感情が入れやすくなりました。」
中山「私は『エビ中出席番号の歌 その2』が好きです。これは昨年8月の「ファミえん」で初めて披露したんですけど、CDへの収録が初なんですよ。 ライブに来ないと聴けなかったので、音源化できて嬉しかったです。」
星名「私は『参枚目のタフガキ』!前山田さんは『えびぞりダイヤモンド』からずっと私たちの曲を作ってきてくれてるから、『金八DANCE MUSIC』もそうですけど、また作っていただけて嬉しかったし、Aメロの深海にいるような気分になるところがすごく好きで。サビで盛り上がる感じも前山田さんっぽい。ライブで歌ったら絶対に盛り上がるだろうなぁ。」
真山「はい。あのですね、前山田先生はいい意味で、もちろんいい意味でなんですけど、ワケがわからなくて(笑)。」
星名「(笑)。」
真山「でも長年ご一緒させていただいてるなかで、「個性を出せ」「自分を出していけ」って言われる方なので、「先生の曲だったらこういう風に歌えばいいのかな?」っていうのがわかるようになってきました。」
中山「私は口が回らなくて何回も録り直しました……。タフタフタフタフって……。」
真山「これ、バカにならないと歌えない曲(笑)。考えちゃうとダメなんです。」
星名「私もハモリですごくハマっちゃった。」
星名「やっぱり女性が作ると、女の子の気持ちが込められますよね。」
真山「でも男性にも通じる、刹那な気持ちも感じるなぁ。」
真山「正統派ですよね。作っていただいた杉山勝彦さんは、『仮契約のシンデレラ』とか、乃木坂46さんの曲も作っていらっしゃる方なんです。」
真山「だって、私たちから正統派感、出ないもんね。」
中山「うん……。」
星名「(笑)。」
真山「絶対、正統派な振りにはならなそう(笑)。」
星名「これもエビ中の新しい一面になると嬉しいです。『フユコイ』が好きな人にハマると思います。」
星名「回帰さんってすごくパワフルっていうか、芸人さんみたいな方なんですよ。いわゆるロックスターみたいな雰囲気じゃなくて、とにかく面白いんです。」
中山「うん、面白い(笑)。」
星名「その回帰さんが乙女心を想像しながら書いてくださったっていうのが、不思議な感じというか。」
真山「疾走感がある中に転調も生きていて、「せめぎ合う、せめぎ合う」のあとで一旦チャカチャカチャカって溜める感じが、回帰さんっぽいなぁって思いました。溜めによって「次はどういう展開になるんだろう?」みたいなワクワク感もあって。」
星名「ライブでHEREさんと対バンがしたいなあ。」
真山「そうやって考えるとすごい曲順。『ポンパラ』を入れた時点で世界観がもう(笑)。」
星名「この前の俳句からのギャップがすごすぎるね。もしひとりの人物だとしたらすごいことになっちゃう。」
真山「人間だとすると、まず『ゼッテーアナーキー』で第一反抗期が来て、『面皰』でニキビが出来るお年頃になるでしょ。そのあと夏が来て弾けちゃって、『マブいラガタイフーン』、『夏だぜジョニー』、『MISSION SURVIVOR』。からの、『ナチュメロらんでぶー』で恋してみちゃったりして、『あな秋いんざ夕景』で秋が来ておセンチな気持ちになったと思ったら、『ポンパラ』でこじらせちゃう。」
真山「そうです、こじらせます。で『お願いジーザス』で悟りを開く。」
星名「そこから青春の『全力☆ランナー』! 」
真山「青春を経て、最後の『参枚目のタフガキ』がゴール。ここでようやくハタチぐらいなのかな?」
中山「すご~い!」
真山「……っていうか、こうやって考えてみるとますますワケがわからない(笑)。」
真山「充電期間があって、8人でようやく改めてスタートするツアーなんです。来てくださった皆さんには楽しんでいただきたいなと思って。今年はタイトルが「私立恵比寿中学JapanホールKeikiiiiツアー2016~the snack bar in gakugeeeekai~」と、ちょっと長いんですけど景気いい感じになっていて(笑)。全国各地のエビ中ファミリーに「いいねぇ、アナーキーだねぇ」って言ってもらえるようなライブができたらなって思います。」
星名「北海道から沖縄まで行かせていただいて、普段お会いできない方と会えるチャンスがたくさんあるので、皆さんがエビ中を好きになってくれるようなステージができたらいいなって。エビ中ファミリーの輪がもっと広がっていくといいなと思っています。今だけじゃなく年末までのことを見据えて、頑張っていきたいなと思います!」
中山「まだ握手会やツアーで行ってない県があって、そこの県に住んでる人から「早く来てほしい!」って言っていただくことがあるんです。今回は北海道とか沖縄とか、なかなかすぐには行けないような遠いところにも行けるのが本当に嬉しい。ライブを回りながら、たくさんの人にエビ中の曲を聴いてもらいたいです。」
Writing:飯田ネオ
ALBUM
4月20日(水)発売!
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