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私立恵比寿中学、3枚目のフルアルバムが完成した。およそ1年ぶりとなる16曲入りの本作は、今のエビ中の魅力を凝縮した1枚に仕上がった。前山田健一氏の楽曲に代表されるような“エビ中らしい”曲はもちろん、正統派アイドルを感じさせる爽やかな楽曲や、スピード感のあるロックテイスト満載の曲、乙女心をしっとり歌いあげる曲など、幅広いジャンルの曲が見事に編み込まれている。さらに彼女たちの持つワチャワチャ感をよりクローズアップする、3曲のInterludeが華を添える。アルバムごとに確実な成長を踏むエビ中の、最新形態がこの『穴空』だ。レコーディングを終え、真山りか、星名美怜、中山莉子の3人に『穴空』について話を聞いた。

アルバムを見ればエビ中の歴史がわかる

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―― まず、『穴空』がどういうアルバムなのか、全体像をざっくりお伝えいただけますでしょうか。

真山りか「はい。今回のアルバムタイトル『穴空』(アナーキー)にはいろんな意味があるんです。グループ自体が無政府状態みたいな自由グループだし、私たちの出席番号も穴空き。『中人』、『金八』と線対称のタイトルが来て、『穴空』もそれを踏襲していますし。」

星名美怜「ジャケット写真はこれまでのアルバム同様ソニーの本社ビルの前で撮ったんですけど、メンバーの成長も3枚並べてみると発見できるんじゃないかと思います。アルバムを見ればエビ中の歴史がわかるっていうか。そこにも注目してもらえたら嬉しいです。」

真山「みんなそれぞれ年を重ねてきて、今年の春で全員が中学生を越えた中学生になるんです。そういう意味でもすごく新鮮というか。今回はじめてご一緒させていただく方が多かったんですね。今までどおりの楽しい感じの楽曲も多いんですけど、新しく挑戦したタイプの曲も多くて、いろんな人に楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています。」

一緒に歌うのって、今まで本当にない経験だった

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―― レコーディングはどういう感じで進んだのですか?

中山莉子「前作『金八』の時も、1曲目からパンチが効いてたんですけど、『穴空』もすごいんです。今回、みんなで一緒にレコーディングをしたんですよ。」

星名「今回、初めてみんなでブースに入って録った曲が多かったんだよね。」

中山「うん。」

真山「いつもはひとりずつブースに入って、コンデンサーマイクっていう壁に立ててあるタイプで録るんです。でも今回は、4人ずつでライブで使うようなスタンド式のダイナミックマイクを使って録音をしました。誰かと一緒にレコーディングブースに入るっていうこと自体が初めてだったんですよ。」

―― なるほど!そうなんですね。

真山「Interludeの3曲と、『ゼッテーアナーキー』はそういう形で録りました。」

星名「『ゼッテーアナーキー』は作曲がユニコーンのABEDONさんで、アドバイスとかもロックでかっこいいんですよ。私たちがちょっとでも緊張すると「もっと自由でいいよ」って声をかけてくださるんです。「とにかく楽しんで!」って。」

真山「「適当にやっていいよ」って言われて、私たち本当に適当にやったんだよね(笑)。そしたら「お前ら、適当だな~」って笑われたりして。でもそれでも良かったみたい。」

星名「一緒に歌うのは、今まで本当にない経験でした。だってライブ中もそんなに歌のかけ合いってないもんね。」

中山「うん、みんなで一気に録るのがすごく面白かった。そういうかけ合いが1曲目からバーンって出てくるのも面白いと思います。」

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―― 『あな秋いんざ夕景』もInterludeですけど、これも面白いですね。

星名「はい。これはもうレゲエっていうか、俳句みたいな感じです。」

真山「それも一般的な感じじゃなく、詠んでるんですけど叫ぶだけっていうか(笑)。演出と台本は『永遠に中学生』でお世話になっていた丸山博久さん。この方がちょっとまた、癖のある方でして(笑)。「自由にしていいよ、好きなリズムで」って仰るので、それに合わせて録りました。」

―― 新しい取り組みが結構あったんですね。

真山「ありましたねえ。」

星名「『お願いジーザス』と『全力☆ランナー』は、照明を落として録ったんです。いつもは明るい状態で録っているんですけど、曲調に合う雰囲気を出そうって。私も『お願いジーザス』のフジファブリック加藤慎一さんの歌詞を読んで、しっかり歌いたいなと思っていたので、気持ちが変わって感情が入れやすくなりました。」

前山田先生はいい意味で、もちろんいい意味でなんですけど、ワケがわからなくて(笑)

―― それぞれこの曲がおすすめ、っていう曲はありますか?

中山「私は『エビ中出席番号の歌 その2』が好きです。これは昨年8月の「ファミえん」で初めて披露したんですけど、CDへの収録が初なんですよ。 ライブに来ないと聴けなかったので、音源化できて嬉しかったです。」

星名「私は『参枚目のタフガキ』!前山田さんは『えびぞりダイヤモンド』からずっと私たちの曲を作ってきてくれてるから、『金八DANCE MUSIC』もそうですけど、また作っていただけて嬉しかったし、Aメロの深海にいるような気分になるところがすごく好きで。サビで盛り上がる感じも前山田さんっぽい。ライブで歌ったら絶対に盛り上がるだろうなぁ。」

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―― この曲、歌詞が相当変わってますよね。

真山「はい。あのですね、前山田先生はいい意味で、もちろんいい意味でなんですけど、ワケがわからなくて(笑)。」

星名「(笑)。」

真山「でも長年ご一緒させていただいてるなかで、「個性を出せ」「自分を出していけ」って言われる方なので、「先生の曲だったらこういう風に歌えばいいのかな?」っていうのがわかるようになってきました。」

中山「私は口が回らなくて何回も録り直しました……。タフタフタフタフって……。」

真山「これ、バカにならないと歌えない曲(笑)。考えちゃうとダメなんです。」

星名「私もハモリですごくハマっちゃった。」

―― あと、今回はたむらぱんさんが2曲書かれてますよね。女の子目線の、かわいいテイストの曲に仕上がっています。

星名「やっぱり女性が作ると、女の子の気持ちが込められますよね。」

真山「でも男性にも通じる、刹那な気持ちも感じるなぁ。」

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―― 『全力☆ランナー』はアイドルソングに近いというか、いつものエビ中の曲とは雰囲気が違っています。

真山「正統派ですよね。作っていただいた杉山勝彦さんは、『仮契約のシンデレラ』とか、乃木坂46さんの曲も作っていらっしゃる方なんです。」

―― エビ中が歌うことでまた違った良さを感じました。

真山「だって、私たちから正統派感、出ないもんね。」

中山「うん……。」

星名「(笑)。」

―― 振り付けが入ることでも印象がまた変わりそうですが…。

真山「絶対、正統派な振りにはならなそう(笑)。」

星名「これもエビ中の新しい一面になると嬉しいです。『フユコイ』が好きな人にハマると思います。」

もしひとりの人物だとしたらすごいことになっちゃう

―― 『春休みモラトリアム中学生』はHEREの尾形回帰さんによるパワフルな曲ですよね。

星名「回帰さんってすごくパワフルっていうか、芸人さんみたいな方なんですよ。いわゆるロックスターみたいな雰囲気じゃなくて、とにかく面白いんです。」

中山「うん、面白い(笑)。」

星名「その回帰さんが乙女心を想像しながら書いてくださったっていうのが、不思議な感じというか。」

―― 疾走感もあって、春っぽい感じもします。

真山「疾走感がある中に転調も生きていて、「せめぎ合う、せめぎ合う」のあとで一旦チャカチャカチャカって溜める感じが、回帰さんっぽいなぁって思いました。溜めによって「次はどういう展開になるんだろう?」みたいなワクワク感もあって。」

星名「ライブでHEREさんと対バンがしたいなあ。」

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―― 対バンといえば、五五七二三二〇の『ポンパラペコルナパピヨッタ』も入っています。

真山「そうやって考えるとすごい曲順。『ポンパラ』を入れた時点で世界観がもう(笑)。」

星名「この前の俳句からのギャップがすごすぎるね。もしひとりの人物だとしたらすごいことになっちゃう。」

真山「人間だとすると、まず『ゼッテーアナーキー』で第一反抗期が来て、『面皰』でニキビが出来るお年頃になるでしょ。そのあと夏が来て弾けちゃって、『マブいラガタイフーン』、『夏だぜジョニー』、『MISSION SURVIVOR』。からの、『ナチュメロらんでぶー』で恋してみちゃったりして、『あな秋いんざ夕景』で秋が来ておセンチな気持ちになったと思ったら、『ポンパラ』でこじらせちゃう。」

―― こじらせなんですね(笑)。

真山「そうです、こじらせます。で『お願いジーザス』で悟りを開く。」

星名「そこから青春の『全力☆ランナー』! 」

真山「青春を経て、最後の『参枚目のタフガキ』がゴール。ここでようやくハタチぐらいなのかな?」

中山「すご~い!」

真山「……っていうか、こうやって考えてみるとますますワケがわからない(笑)。」

「いいねぇ、アナーキーだねぇ」って言ってもらえるようなライブができたら

―― ひとりの人間の人生が『穴空』を通じて表現されていると(笑)。あとはアルバム発売とあわせてツアーもスタートすると思うんですが、どんなライブになりそうでしょうか。

真山「充電期間があって、8人でようやく改めてスタートするツアーなんです。来てくださった皆さんには楽しんでいただきたいなと思って。今年はタイトルが「私立恵比寿中学JapanホールKeikiiiiツアー2016~the snack bar in gakugeeeekai~」と、ちょっと長いんですけど景気いい感じになっていて(笑)。全国各地のエビ中ファミリーに「いいねぇ、アナーキーだねぇ」って言ってもらえるようなライブができたらなって思います。」

星名「北海道から沖縄まで行かせていただいて、普段お会いできない方と会えるチャンスがたくさんあるので、皆さんがエビ中を好きになってくれるようなステージができたらいいなって。エビ中ファミリーの輪がもっと広がっていくといいなと思っています。今だけじゃなく年末までのことを見据えて、頑張っていきたいなと思います!」

中山「まだ握手会やツアーで行ってない県があって、そこの県に住んでる人から「早く来てほしい!」って言っていただくことがあるんです。今回は北海道とか沖縄とか、なかなかすぐには行けないような遠いところにも行けるのが本当に嬉しい。ライブを回りながら、たくさんの人にエビ中の曲を聴いてもらいたいです。」


Writing:飯田ネオ

インフォメーション

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初回生産限定盤A
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初回生産限定盤B
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通常盤

ALBUM

『穴空』

4月20日(水)発売!


<初回生産限定盤A>
Blu-ray+CD/SECL-1844~45 ¥4,444(税抜)
※Blu-ray
エビ中ヒストリーメドレー@氣志團万博2015
(シングル全曲網羅したノンストップ20曲のアナーキーなパフォーマンスを収録!!)

<初回生産限定盤B>
2CD/SECL-1846~47 ¥3,333(税抜)
※2CD
年忘れ大学芸会2015 Live atさいたまスーパーアリーナ
12/12(土)初日の熱いパフォーマンスを厳選して1枚のライブCDに凝縮!

<通常盤>
1CD/SECL-1848 ¥2,857(税抜)

【収録曲】
M1.埋めてあげたい(Interlude)
M2.ゼッテーアナーキー
M3.春休みモラトリアム中学生
M4.ポップコーントーン
M5.面皰
M6.エビ中出席番号の歌 その2
M7.マブいラガタイフーン(Interlude)
M8.夏だぜジョニー
M9.MISSION SURVIVOR
M10.ナチュメロらんでぶー
M11.あな秋いんざ夕景(Interlude)
M12.ポンパラペコルナパピヨッタ/五五七二三二〇
M13.お願いジーザス
M14.全力☆ランナー
M15.スーパーヒーロー
M16.参枚目のタフガキ

【特典】
トレーディングカード
※9種のうち1種ランダム封入

●「穴空」特設サイト
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/ebichu/anarchy/

LIVE

『私立恵比寿中学JapanホールKeikiiiiツアー2016 ~the snack bar in gakugeeeekai~』

2016年4月23日(土)千葉・市原市市民会館
2016年5月1日(日)福岡・福岡サンパレス
2016年5月3日(火・祝)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
2016年5月5日(木・祝)大阪・大阪国際会議場メインホール
2016年5月8日(日)広島・上野学園ホール
2016年5月14日(土)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2016年5月15日(日)香川・アルファあなぶきホール
2016年5月22日(日)北海道・ニトリ文化ホール
2016年5月27日(金)東京・NHKホール
2016年6月4日(土)沖縄・沖縄市民会館 大ホール
2016年6月11日(土)新潟・新潟県民会館 大ホール
2016年6月12日(日)宮城・仙台サンプラザホール
2016年6月19日(日)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
2016年6月25日(土)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
2016年7月2日(土)東京・東京国際フォーラム・ホールA

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